2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740029
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Research Institution | Hiroshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
平井 剛和 広島商船高等専門学校, 一般教科, 講師 (40321484)
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Keywords | Eisenstein series / graded ring / Koecher-Maass Dirichlet series |
Research Abstract |
(1)直交群上のEisenstein級数に付随するKoecher-Maassのディリクレ級数に関する研究 これまでの研究成果でIV型領域(対応する群は符号が(2,m)の直交群)上の正則Eisenstein級数をFourier展開して得られるFourier係数の明示的な公式が得られている。この公式を使ってEisenstein級数に付随するKoecher-Maassのディリクレ級数の明示式を求めたいのだが、まだFourier係数について調べている段階で研究成果は得られていない。今後もSiegel Eisenstein級数の場合を参考にしながら、この問題に取り組んでゆきたい。 (2)直交群上の保型形式のなす空間の具体例に関する研究 具体的に1つ定められた直交群(この場合は2次の四元数ユニタリ群)に対応する複素領域上の正則保型形式のなす空間について考察して、次数付き環の構造まで調べることが本研究の課題である。重さの小さい尖点形式のなす空間の構造は既に分かっているので、少し重さの大きい尖点形式について調べている。まずは最近の計算機でどの程度まで尖点形式が見つけることが出来るかを、数値解析ソフトを利用して試行錯誤中である。現在は準備段階でまだ結果は得られてはいないが、この結果をみて「Eisenstein級数」や「織田孝幸氏のliftingによる尖点形式」だけでは構成することが不可能な尖点形式についての対処法を考えてゆきたい。また、これまでの研究で次数付き環の構造がより簡単な正則保型形式のなす空間の具体例が分かっているので、これについても引き続き同時に考察してゆく。
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