2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740048
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
戸田 正人 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (80291566)
|
Keywords | 双曲幾何学 / 三次元多様体 |
Research Abstract |
平成12年度はおもに、本研究のための代数的な部分の準備を行なった。とくに有理ホモトピー論、数論的クライン群の情報を収集した。有理ホモトピー論についてはSullivanによる基本的な理論の技術をおおむね習得して、3次元多様体の場合に応用すべく現在研究を始めたところである。数論的クライン群についてはMillsonらによる双曲空間の数論的格子およびその合同部分群についてのコホモロジーに関する一連の文献に当たった。このなかで、Weil表現やMaslov指数、テータ列などのモジュラー関数に関わる事柄が重要な役割を果たしていることを知り、当初予定にはなかったが、これらにかかわる基本的な技術の習得に当たるべく現在情報収集をしているところである。本年度は以上二項目を実際に三次元多様体のトポロジーの研究へ応用して結果を得たい。 3次元多様体の位相幾何的な側面については、今年度はおもに研究集会等で情報を収集した。とくにジーゲン(ドイツ)における国際研究集会は結び目理論を中心とする低次元トポロジーの現在の研究の方向性を把握するのに役立った。そのほか、広島大学、大阪大学において数論的クライン群の被覆の第一ベッチ数に関してすでに得ていた結果に関する講演を行なった。 その他、代数的な計算を中心として、コンピュータを研究の道具として使用するため、C/C++および補助的なものとしてスクリプト言語Python、の各言語を習得した。これらの習得および今後の使用のために比較的高速のCPUを搭載した計算機を購入した。
|