2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740051
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井ノ口 順一 福岡大学, 理学部, 助手 (40309886)
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Keywords | ループ群 / Birkhoff分解 / 岩澤分解 / 非線型d'Alembert公式 / 汎調和平均曲率曲面 / Lawson対応 / Bonnet曲面 / Sym公式 |
Research Abstract |
Backlund変換の変換群論的把握に向けて無限次元リー群論の観点から研究を行った。 Josef Dorfmeister氏(ミュンヘン工科大学),Magdalena Toda 氏(ボール州立大学)と共同研究を行い以下の成果を得た。 2次特殊実線型群の実ループ群に対するBirkhoff分解及び岩澤分解を与えた。この分解定理を用いることによりsinh-Gordon方程式・Liouville方程式・cosh-Gordon方程式に対する初期値問題を統一的に解く方法を与えた。この統一的方法は「非線型波動方程式に対するd'Alembert公式」と解釈できることも示した。さらにこれらの方程式の解空間に対する実ループ群作用を定式化できた。これらの成果は3次特殊実線型群の実ループ群に対しても拡張できDodd-Bullough-Zhiber-Shabat-Titeica方程式(不定値アファイン球面の方程式/BC_1型戸田方程式またはA^<(2)>_2型戸田方程式とも呼ばれる)に適用可能であることも確かめた。以上の研究成果を基にアファイン微分幾何学への「ループ群論」の応用が期待できる。 藤岡敦氏(金沢大学)と共同研究を行い以下の成果を得た。 3次元Lorentz空間形内の空間的及び時間的汎調和平均曲率曲面の概念を導入しその基本的性質を調べた。とくに平均曲率一定曲面に対するLawson対応を汎調和平均曲率曲面に拡張した。また曲面の表現公式(sym公式)を与えた。 3次元de Sitter空間内の時間的汎調和平均曲率曲面が「二つの独立な"動く"スペクトル径数をもつ逆散乱問題」を与えることを示した。「複数の"動く"スペクトル径数をもつ逆散乱問題」の初めての例を与えたものと思われる。 時間的Bonnet曲面がPainleve方程式の解によって記述されることを示した。さらにガウス曲率一定な空間的及び時間的Bonnet曲面を分類・決定した。
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Research Products
(1 results)