2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12740071
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
村木 尚文 岩手県立大学, 総合政策学部, 助教授 (60229979)
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Keywords | 量子確率論 / 非可換確率論 / 自由確率論 / 独立性 / 単調独立性 / 単調畳み込み / レヴィ・ヒンチン公式 / 代数的確率空間 |
Research Abstract |
報告者は、前年度に発見した単調独立性の概念に基づき、非可換確率論の一例として(仮想的な)「単調確率論」を展開することを念頭に、極限定理と無限分解可能分布の単調確率版の構成を試み、以下の成果を得た。 1.単調的小数の法則.「小数の法則」の単調確率版を証明した。即ち、単調独立かつ同分布な自己共役確率変数のポアソン型極限分布(=「小数の法則」型の極限分布)の存在を証明し、「単調的ポアソン分布」は、LambertのW関数で記述されることを示した。 2.単調畳み込みと単調レヴィ・ヒンチン公式.古典確率論において重要な概念である実数直線上の確率測度の畳み込みの概念の単調確率版(即ち「単調畳み込み」)を導入し、単調畳み込みに関する無限分解可能な確率分布に対し、レヴィ・ヒンチン型の積分表示公式が成立することを示した。また、複合ポアソン分布の単調確率版を積分表示の形で導いた。 3.単調独立性の特徴づけ.Speicherによる代数的確率空間の圏における普遍積の概念の拡張である「準普遍積」の概念を導入した。テンソル積・自由積・ブール積とともに、単調積も準普遍積である。逆に、準普遍積はテンソル積・自由積・ブール積・単調積・反単調積の5つのみであるとの予想を得た。(これを証明することは次年度の課題である。)
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Naofumi Muraki: "An exmaple of non-free Brownian motion with the Wigner semi-circle distribution"Proceedings of China and Japan Joint Symposium on Applied Mathematics and its Related Topics. 2. 121-129 (2000)
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[Publications] Naofumi Muraki: "Monotonic independence, monotonic central limit theorem and monotonic law of small numbers"Infinite Dimensional Analysis, Quantum Probability and Related Topics. (掲載予定). (2001)
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[Publications] Naofumi Muraki: "Towards "monotonic probability""京都大学数理解析研究所講究録. (掲載予定). (2001)