2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740102
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
三沢 正史 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (40242672)
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Keywords | P-harmonic maps / penalized equation / compactness / singular elliptic systems / degenerate elliptic systems |
Research Abstract |
1<p<m,p≠2とする.コンパクトかつ滑らかなRiemann多様体M,Nの間のp-調和写像の存在と滑らかさ(解とその一階導関数のHolder連続性)について研究した.p-調和写像はRiemann多様体M,N間のSobolev写像の集合上で定義されたp-エネルギー(一階導関数のp-乗積分)の臨界点であり,Dirichlet積分(p=2)の臨界点である調和写像の自然な拡張になっている.以下の結果を得た. (1)p-調和写像は,像がN上にあるという条件付き変分問題の臨界点であるので,p-調和写像の存在を示すために,像の制限をゆるめる近似,ペナルティ近似という,を考えることは自然である.ペナルティ近似汎関数のEuler Lagrange方程式の解の族のSobolev空間における弱収束極限はp-調和写像の弱解であり,部分的に滑らかであることを証明した(Nonlinear Analysis,T.M.Aに掲載予定). (2)p-調和写像の熱型勾配流を記述する非線型退化特異放物型偏微分方程式の像の小さい弱解は,空間一階導関数とともに部分的にHolder連続であり,Holder連続ではない点(特異点)の集合は,(m-δ)-Hausdorff測度ゼロの閉集合(δ>0)であることを証明した(投稿準備中).これは時間発展p-調和作用素に対するHolder評価の改良とGehringの逆Holder不等式の改良によって達成される. (3)p-調和写像の熱型勾配流の主要項である時間発展p-調和作用素の正則性に関して次の結果を得た:q-乗可積分(q>1)関数の発散を外力項にもつ時間発展p-調和方程式系の解の空間一階導関数はまたq-乗可積分である.そのq-乗積分は発散型外力を与える関数のq-乗積分によって評価することができる(投稿準備中).時間発展p-調和作用素は非線型退化特異放物型作用素であり,とくに解の表現公式を与える基本解は知られていない.したがって,特異積分作用素のL^q-空間における有界性の結果は直接適用できない.そこで,Calderon Zygmundによる立方体分割と選択の議論を時間発展p-調和作用素に適合するように改良し,局所積分評価,Campanato評価,を組み立てることにより証明した.
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Research Products
(1 results)