2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740131
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 洋一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00281965)
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Keywords | 超対称性 / 量子補正 / 混合行列 / ゲージ依存性 / 質量殻上くりこみ |
Research Abstract |
今年度は、超対称標準模型に含まれる粒子の性質に対する量子補正の構造を研究し、以下の結果を得た。これらの結果は、将来の精密実験における超対称性の検証に際して、有用になることが期待される。 1.超対称標準模型が予言する新粒子のうち、2種のチャージーノと4種のニュートラリーノの質量および相互作用は、統一理論を検証する際に非常に重要である。これらの量に対する量子補正の影響については、これまでにも多くの研究がされてきた。私は、これらの量子補正のうち、クォークおよびスクォークのループによる寄与を系統的に扱うための形式を整備した。また現在、この形式を用いて、チャージーノやニュートラリーノの有効質量行列や、これらの粒子のヒッグス粒子との結合定数への補正を、数値的に分析している。 2.クォーク、レプトン、および各種の超対称粒子など、電荷やスピンが共通である複数の粒子は、一般に互いに混合しあい、その効果は混合行列によって表される。混合行列は、標準模型およびその拡張において、現象論的に大変重要なパラメータである。量子補正によって混合行列はくりこみを受ける。十年前に提唱され、広く用いられてきた、混合行列に対する「質量殻上くりこみ処方」が、ゲージ固定のパラメータに依存するという不都合が、最近になって指摘された。私は、一般の場合に、このゲージ依存性の形を分析し、この問題が、外線の波動関数の補正に対する簡単な操作で避けられることを示した。この結果は間もなく投稿予定である。
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