2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740171
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奥野 剛史 筑波大学, 物理学系, 助手 (70272135)
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Keywords | 半導体量子点 / 量子サイズ効果 / PbSe / キャリア緩和 / 強い閉じ込め / 近赤外光吸収 / エネルギー緩和時間 / 非線形分光 |
Research Abstract |
IV-VI族半導体であるPbSeは、励起子ボーア半径が46nmであり、通常の半導体よりも極めて大きい。そのため、量子点にした場合、強い閉じ込めを受ける励起子系として典型的・理想的である。また、粒径により、1から2μmの波長領域(0.6〜1.2eV)に吸収帯をもちうるため、光通信・演算等の応用の可能性もある。今回、PbSe量子点試料において、以下のような光学特性を明らかにした。 1、作製したリン酸ガラス中PbSe量子点試料の吸収スペクトルは、平均半径1.4から2.9nmのもので、1.41から0.71eVの領域に第一吸収ピークをもった。そのエネルギー位置は、室温から13Kの温度範囲で変化がなかった。 2、いずれの試料においても、吸収ピークの100から300meV低エネルギー側に、発光がみられた。表面やトラップ準位からのものと考えられる。 3、発光は室温でも観測できた。室温での発光強度は、低温での約1/10であり、非輻射過程が存在することがわかる 4、ポンププローブ法により吸収ピークでのエネルギー緩和時間を測定すると、2成分の指数関数減衰であらわされた短寿命成分は、非輻射緩和や発光準位への遷移で決まっている自由励起子の緩和をあらわすと考えられる。長寿命成分は、局在準位あるいは発光準位への緩和であると考えられる。 5、自由励起子の緩和時間は、半径2.9nmの試料においては25ps、1.4nmの試料においては1psと、半径が小さいほど単調に短くなっていった。緩和が表面との散乱で決まっていると仮定すると、緩和レート(緩和時間の逆数)は、表面積と体積との比、すなわち、半径の逆数に比例すると予想される。しかし、得られた依存性は、半径の3乗の逆数に比例する、というものであった。この極めて強い粒径依存性は、PbSe量子点が極めて強い閉じ込めを示す系であることに起因すると考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Okuno,A.A.Lipovskii,M.Ikezawa,T.Ogawa,Y.Masumoto: "Strong size dependence of energy relaxation time in strongly confined PbSe quantum dots"Proceeding of 25th International Conference on the Physics of Semiconductors. (発表予定).