2001 Fiscal Year Annual Research Report
ハロゲン化アルカリ薄膜結晶中に埋め込んだZnO微粒子の光学的性質に関する研究
Project/Area Number |
12740188
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 義之 大阪工業大学, 工学部, 講師 (20288757)
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Keywords | 酸化亜鉛(ZnO) / 微粒子 / ハロゲン化アルカリ / フォトルミネッセンス(PL) / 束縛励起子 / 界面 / 強励起 / 励起子分子 |
Research Abstract |
本研究では良質でサブミクロンサイズの酸化亜鉛(ZnO)微粒子をハロゲン化アルカリ結晶中に作製し、その系での励起子の挙動について調べてきた。今年度、(最終年度)は試料作製方法の確立と科研費等で整備した光学系による測定と解析、およびまとめを行なった、それらの結果を以下に箇条書きで示す。 1.試料作製方法の確立:2枚の石英板を張り合わせたセルの狭い間隙(0.1〜100μmまで可変)にZnO微粒子を分散させたハロゲン化アルカリ(KI、KCIなど)薄膜結晶を育成させることに成功した。SEM測定等からサブミグロンサイズのZnO微粒子が埋め込まれていることを確認した。また、バルクのハロゲン化アルガリ結晶中にも微粒子を埋め込む条件を見い出した。さらにフオトルミネッセンス(PL)測定からハロゲン化アルカリが微粒子の表面を効果的に改質することを明らかにした。 2.結果I:上記試料に対してPL測定を行ない、原料粉末では見られなかった自由励起子と新たな束縛励起子発光を観測した。この束縛励起子発光の強度は極めて強く、粒子数が極端に少なくても観測可能であうた。また、数十paのオーダーの非常に速い寿命といった特徴を有することも判明した。この発光は微粒子とハロゲン化アルカリとの界面に束縛された励起子に起因するものと考えている。 3.結果II:強励起下で新しい束縛励起子発光の振舞いを調べることで、界面に束縛された励起子によるとする考えを実証した。また、励起光強度に対して非線型で変化する励起子分子発光を観測した。本試料に改良を加えることで今後、励起子分子を用いたレーザー発振の実現を十分に期待できる。 4.成果報告と課題:一連の結果.は国際会議や日本物理学会などで講演し、非常に興味、関心を寄せてもらった。本研究によって良質なZnO微粒子の作製方法の確立の他、それらの試料で特に観測される界面に束縛された励起子の振舞いに関して多くの知見が得られ、一定の成果が得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Hamada, H.Kondo, S.Hashimoto: "Luminescence of sub-micron-sized ZnO particle embedded in alkali halide crystals"Proc. of the 25th International Conference on Physics Semiconductors, Osaka 2000(Eds. N. Miura and T. Ando). 1573-1574 (2001)
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[Publications] T.Hirai, Y.Harada, S.Hashimoto, K.Edamatsu, T.Itoh: "Lifetimes of excitons in ZnO fine particles dispersed in alkali halide crystals"Journal of Luminescence. 94-95. 261-265 (2001)
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[Publications] T.Hirai, K.Edamatsu, I.Itoh, Y.Harada, S.Hashimoto: "Excitons in colloidal CuI partides dispersed in a KI crystal"Proc. of 2000 International Conference on Excitonic processes in Condensed Matter, Yamada Conference III Osaka. 221-224 (2001)
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[Publications] 原田義之, 平井豪, 枝松圭一, 伊藤正, 橋本哲: "ZnO微粒子の励起子発光"日本物理学会講演概要集. 第4分冊. 656 (2001)
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[Publications] 原田義之, 橋本哲: "ZnO微粒子の励起子分子によるレーザー発振"日本物理学会講演概要集. 第4分冊. 622 (2001)
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[Publications] 平井豪, 原田義之, 橋本哲, 枝松圭一, 伊藤正: "アルカリハライド結晶に分散したミクロンサイズの半導体微粒子の励起子状態"日本物理学会講演概要集. 第4分冊. 597 (2001)