2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 明比古 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70272458)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 一次元物質 / 光伝導 / 分光 |
Research Abstract |
本研究課題での、第1段階の目的である、バルク試科での光伝導測定を試み、世界で初めて、ナノチューブの光伝導レスポンスの観測に成功した。最終目的では、分子構造に非常に敏感なナノチューブの一次元的電子構造とその分布を明らかにするために、1本のナノチューブ束を用いて光伝導特性を調べることであったが、バルク試料での光伝導特性も、ナノチューブの電子構造や光電特性、励起状態のキャリアの状態を議論するに十分有効な測定方法であることが明らかになった。 バルク試料での光伝導測定では、ガラス基板に試料を塗布し、電極間隔10μmの2端子による定電圧印加測定にて行なった。光スポットサイズは、現在得られる最小サイズの100μmで行った。その結果、半導体ナノチューブの直接バンド間遷移に対応するエネルギー、0.7eVと1.2eV、で著しい光伝導特性の増強が見られた。この結果は、半導体ナノチューブが光伝導特性をもった1次元半導体であり、ナノスケールの光電材料としても用いれることを示しており、今後のナノテクノロジーの重要な物質であることを示している。また、この結果は、金属ナノチューブと半導体ナノチューブの混在した試料であるにも拘らず、半導体ナノチューブだけを伝導体として選択的に選べることを示しており、応用だけで無く、半導体ナノチューブ単独の輸送特性の理解にも重要な手法であることが解った。 現在、光伝導の温度依存性の予備的実験から、光伝道能は、低温になるほど増すことが解っており、今後の詳細の実験により、半導体ナノチューブの輸送特性や光伝導メカニズムが明らかになることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Maniwa: "Gas Storage in Single-Walled Carbon Nanotubes"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 340. 671-676 (2000)
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[Publications] A.Fujiwara: "Magnetotransport of carbon nanotubes"Physica B. (出版予定).
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[Publications] A.Fujiwara: "Gas adsorption in the inside and outside of single-walled carbon nabotubs"Chem.Phys.Lett.. (出版予定).
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[Publications] A.Fujiwara: "Photo conductivity of Single-Walled Carbon Nanotubes"AIP Conference Proceedings. (出版予定).
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[Publications] 藤原明比古: "カーボンナノチューブのガス吸蔵"機能材料. 21(出版予定).