2001 Fiscal Year Annual Research Report
磁場と遠赤外分光の組み合わせによるジョセフソンプラズマとストライプの研究
Project/Area Number |
12740204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小嶋 健児 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (60302759)
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Keywords | 銅酸化物 / 高温超伝導体 / ジョセフソン磁束 / 遠赤外分光 / ジョセフソン・プラズマ / 磁場 / YBCO / 縦モード・横モード |
Research Abstract |
前年度のLSCOに引き続き,本年度はYBCOアンダードープ試料のジョセフソンプラズマ反射の磁場依存性を研究した。超伝導転移点がTc=60Kという高温にもかかわらず,予想外に大きな磁場依存性を持つことが明らかになった。 一般的に,超伝導現象は,時間反転対称性を破る「磁場」という外部条件で破壊される傾向があるが,今年度の研究によって,磁場とプラズマ励起の向き関係によっては,ジョセフソンプラズマが磁場で増強されるように見える,という非常に新しい結果を得た。このような結果は,高温超伝導体の遠赤外分光がここ10年以上行われてきたにもかかわらず,未だに報告されたことがなく,本研究課題の成果として,特筆されるべきことである。 ごく最近になって,YBCOよりもっと超伝導の異方性の大きなBi系高温超伝導体のマイクロ波吸収において,似たような現象が報告されつつあり,ジョセフソンプラズマモードと磁場との相互干渉が,超伝導の異方性パラメータのみによって分類され,高温超伝導体一般に当てはまる可能性が示唆されている。一方,昨年研究したLSCOでは,ジョセフソンプラズマエネルギーは磁場の関数として減少の一途をたどることが明らかになっている。このことから,ストライプ現象が重要な系では,その自由度によって,磁場とジョセフソンプラズマモードの相互干渉が大きく影響を受けている可能性が示唆される。 現在、以上の結果をまとめた投稿論文を執筆中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.M.Kojima, 他: "The electronic properties of cuprate ladder materials"Journal of Electron Spectroscopy. 117-118. 237-250 (2001)
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[Publications] K.M.Kojima: "Muon-spin relaxation measurements of geometrically frustrated magnets"Can. J. Phys.. 79. 1295-1305 (2001)
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[Publications] S.Wakimoto, 他: "Diagonal static spin correlation in the low-temperature orthorhombic Pccn phase of Lal.55Nd0.4SrO.05CuO4"Phys. Rev. B. 64. 174505 (2001)
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[Publications] T.Ito, 他: "Charge dynamics of doped holes in one-dimensional S =1 Haldane-gap system Y2-xCaxBaNiO5"Phys. Rev. B. 64. 060401 (2001)
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[Publications] T.Kakeshita, 他: "Transverse Josephson Plasma Mode in T^* Cuprate Superconductors"Phys. Rev. Lett.. 86. 4140-4143 (2001)