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2000 Fiscal Year Annual Research Report

衝突蒸気雲中における高速化学反応の分光学的測定

Research Project

Project/Area Number 12740256
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

杉田 精司  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80313203)

Keywords高速衝突物理 / 高速化学反応 / 発光分光学 / 衝突蒸気雲 / 衝突閃光 / 分子スペクトル / 月の起源 / 生命大量絶滅死
Research Abstract

本年度は、まず高性能分光器を購入し、集光光学系、トリガー回路系、CCD検出器及び制御計算機と組み合わせて観測システムを立ち上げた。このシステムは、波長および感受度の較正試験を行い、当初の目標性能が出ていることを確認した。その後、宇宙科学研究所の2段式軽ガス銃を使って性能試験を行い、比較的低速(〜4km/s)の衝突でも分光に十分な光量が得られることを確認した。しかし、弾丸に使用したナイロンからは、強い気体発光(つまり、原子輝線や分子バンドの発光)が見られず、標的に使った玄武岩からのNa線と固体・液体の小片から生ずる黒体輻射スペクトルが観察された。そこで、第2の性能試験として、パルスレーザー照射実験を行った。レーザーには、パルスあたり600mJというかなりの大きなエネルギーを持つNd:YAGレーザーを用いた。標的には、衝突実験と同じく玄武岩を用いた。レーザー実験の結果、比較的低速度の衝突実験とは異なり、NaやKなどの揮発性元素以外にも、Mg、Fe、Caなどの元素の原子スペクトルが観測された。しかし、Mg0などの分子スペクトルは、かなり弱いものしか観測されなかった。これは、4km/s程度の衝突では、Mg0などの不揮発性元素の酸化物の蒸発が起きないことを示している。
一方、レーザーの実験結果を理解するため、簡単な熱力学計算コードを作り、レーザー照射による物質の昇温・蒸発を記述する半解析的な数値モデルと組み合わせて解いた。その結果、レーザービームを0.1mm程度までに集光させた場合には、Mg0などの分子は、かなりが解離・原子化してしまうことが分かった。これは、レーザー照射実験で、強い原子輝線が観測され、分子バンド発光が弱いことをよく説明する。

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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