2000 Fiscal Year Annual Research Report
背弧下のプリューム構造・ダイナミクスと背弧拡大のメカニズムの関連性
Project/Area Number |
12740264
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉岡 祥一 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20222391)
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Keywords | パイロライト組成 / 相転移 / 遺伝的アルゴリズム / 物性パラメター / 高温高圧実験 / 背弧下の温度分布 |
Research Abstract |
1)パイロライト組成に対する各種物性パラメターの温度・圧力ダイアグラムの作成 以前、申請者らは、オリビンとその高圧相の端成分の高温高圧実験のデータを基に、(Mg_<0.89>Fe_<0.11>)_2SiO_4に対して、相転移を考慮した密度・剛性率・体積弾性率・ポワソン比などの各種物性パラメターの温度-圧力依存性のダイアグラムを作成した。本研究では、さらに輝石・ザクロ石のデータをも追加し、上部マントルの組成に最も近いと考えられているパイロライト組成を仮定し、遺伝的アルゴリズムを用いて、地震学的に求められているiasp91モデルの地震波速度の深さ分布を最もよく説明するような体積弾性率の圧力微分値、剛性率の圧力微分値および温度微分値、グリュンナイゼンーアンダーソンパラメターの決定を行い、これまでに高温高圧実験で得られている値との比較検討を行った。この研究成果は論文としてまとめ、国際誌に投稿し、受理されている。さらに、この結果に基づき、オリビンと同様、各種物性パラメターの温度-圧力ダイアグラムを作成した。 2)背弧下の上部マントルの現実的な温度分布と相転移境界面の計算 海洋性プレートの沈み込みに伴う背弧下での流れのモデルの定式化を行い、境界条件・初期条件の設定を行った。断熱圧縮による温度上昇と相転移に伴う発熱・吸熱反応による温度変化を取り入れた熱伝導方程式と、粘性率の温度・圧力依存性を考慮した流線関数を与える運動方程式を立て、熱と流れの連成問題を2次元差分方によって解き、背弧下の温度分布の計算を行った。また、得られた温度分布を用いて、オリビンのα→β、β→γ、γ→Pv+Mwなどの相転移境界面の深さ分布を求めた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Murakami and S.Yoshioka: "The relationship between the physical properties of the assumed pyrolite composition and depth distributions of seismic velocities in the upper mantle"Physics of the Earth and Planetary Interiors. (in press). (2001)
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[Publications] S.Yoshioka and Y.Ito: "Lateral vaviations of effective elastic thickness of the subducting Philippine Sec plate along the Nankai trough"Earth Planets Space. 53(in press). (2001)