2000 Fiscal Year Annual Research Report
夏期アジアモンスーン季のバングラデシュにおける大気鉛直構造形成過程の解析
Project/Area Number |
12740269
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
寺尾 徹 大阪学院大学, 情報学部, 講師 (30303910)
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Keywords | モンスーン / バングラデシュ / 日変化 / 高層気象観測 / 降雨レーダー / 地上気象観測 |
Research Abstract |
アジア夏季モンスーンの中でも最も多量の降水が見られるバングラデシュの首都ダッカにおいて、バングラデシュ気象局と協力して、レーウィンゾンデによる高層気象観測を実施した。観測は2000年6月29日から7月27日にかけて、5つの集中観測期間にわたって行われた。日変化の解像を主要な目的として、1日4回観測を9日分、1日8回観測を4日分など、合計70回分の高層気象観測結果を得た。これらの高層気象観測と並行して気象局のさまざまなデータの収集を行った。まず、50年間以上にわたる、3時間後との気温や風の地上観測データ、日降水量データなどを入手した。これらは、日変化を理解するうえでも、あるいはモンスーン気候システムの年々変動を理解する上でも貴重なデータである。さらに、4ヶ所の降雨レーダーデータを入手し、メソスケール現象の理解の上でも重要な基盤を築いた。現在、それらのデータに基づく解析を開始している。 一方、昨年度の事前観測の結果を解析し、共通してみられ大気成層状況の日変化パターンを見出した。現地の早朝に下層の水蒸気量が最も増加し、その後昼間にかけて水蒸気量が急激に減少する傾向がある。NCEP/NCARの再解析データとの比較も行い、陸上と海上では日変化パターンが異なること、ダッカで観測されたパターンは陸上のそれと基本的に似通っているが、値にはかなりの違いが見られること。などが明らかになった。それらの結果を京都大学防災研究所年報に掲載、日本気象学会でも発表した。
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Research Products
(1 results)