2000 Fiscal Year Annual Research Report
古地磁気学的アプローチによる房総-三浦地域における第三紀テクトニクスの解明
Project/Area Number |
12740281
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡田 誠 茨城大学, 理学部, 助手 (00250978)
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Keywords | 古地磁気 / 房総半島 / 三浦層群 / 第三紀 / テクトニクス |
Research Abstract |
本研究の目的は中期中新世以降に伊豆島弧の本州弧への衝突の影響を受けたと考えられる房総-三浦地域において古地磁気学的研究を行い、磁化方位の偏角異常から地塊の水平回転運動を求め、伊豆島弧衝突現象の様子を解明することである。そのために本年度は、中期中新世以降の地層群である三浦層群が広く分布する房総半島鴨川低地帯北部で試料採取のための地質調査を行った。その結果、古地磁気試料採取にもっとも適していると判断された銘川(めいがわ)沿いに露出する三浦層群最下部の神川層〜木の根層において詳細な柱状図の作成と古地磁気試料採取を行った。銘川やさらに北部の小糸川沿いでは三浦層群下部〜中部にかけての木の根層〜天津層においてすでに古地磁気学的研究を行っていたが、その結果では木の根層から採取した試料のほとんどが初生的な残留磁化を保持していないことがわかった。この原因としては、当該地層が堆積後に還元環境におかれたため酸化鉄からなる磁性鉱物が溶解してしまったことや、さらに地中深くに埋没した際に熱粘性残留磁化を獲得するに十分な温度(100℃程度)まで達したことなどが考えられる。このため今回試料採取には変型や属成作用の影響を比較的受けていないと考えられるノジュール部分を中心に行い、残留磁化記録におけるノイズ低減をめざした。試料採取は三浦層群最下部の神川層で3層準、その上位の木の根層で5層準について行い、1層準あたり6本のコア(24mmφ)を採取した。現在これらについての古地磁気測定を行っているところである。
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