2000 Fiscal Year Annual Research Report
固相合成法による、ダイオキシン類レセプターライブラリーの構築
Project/Area Number |
12740349
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩本 啓 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80304393)
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Keywords | 固相合成 / ダイオキシン / レセプターライブラリー / クレフト型分子 / リンカー / スクリーニング |
Research Abstract |
環境問題が年々深刻になるにつれ、地球保全に対する社会的関心が高まっている。中でもポリクロロダイベンゾ-p-ダイオキシン(通称ダイオキシン)類や、ポリクロロダイベンゾフラン類はいずれも類似した猛毒性を持つ塩素系汚染物質である。これらの化合物は、現在の環境レベルの汚染で、人体に生殖障害や免疫抑制などの影響を及ぼす可能性があるために世界各国で汚染軽減対策が進められている。そこで、ホスト-ゲスト化学を用いたダイオキシン類の捕捉、回収を考えた。すなわち、ダイオキシン類が有している平面π電子とπ-πスタッキングするクレフト型分子を合成し、ホスト分子の包接によってダイオキシン類の捕捉、回収が可能と考えた。またクレフト型分子の合成に、固相合成法を用いることでダイオキシンレセプターライブラリーの構築ができると考えた。 固相でクレフト型分子を合成するため、5置換ベンゼン、および6置換ベンゼンからリンカーをのばしたテタラキスブロモメチルベンゼン化合物の合成を行った。次にWang樹脂に、得られたテトラキスブロモメチルベンゼン誘導体をエステル結合で導入した。現在、カテコール誘導体とのエーテル化を試み、クレフト型分子の合成を検討している。また液相反応において、テトラキスブロモメチルベンゼン誘導体とカテコール誘導体との反応を行い、クレフト型分子の合成、反応条件の最適化も同時に行った。さらに液相反応で、フェニレンジアミン誘導体と、テトラキスブロモメチルベンゼン誘導体からもクレフト型分子が合成できることを明らかにし、カテコール誘導体から得られるクレフト分子より平面π電子化合物との包接能が増すことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hajime Iwamoto: "Estimation of Magnetic Anisotropy in Polycyclic Aromatics"Tetrahedron Letters. 42・8. 1551-1553 (2001)
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[Publications] Hajime Iwamoto: "Conformational Analysis by Chemical Shift Simulation : Structure of 1,4,11,l4-Tetraoxa [4,4] metacyclophane"Tetrahedron Letters. 42・1. 49-51 (2001)
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[Publications] Manabu Yanase: "Conformational Analysis by Chemical Shift Simulations : Structure o 1,4,11,14-Tetraoxa [4,4] metacyclophane"Tetrahedron Letters. 41・4. 493-497 (2000)