2001 Fiscal Year Annual Research Report
複数の活性サイトをもつ異種複核オレフィン重合触媒の設計および合成
Project/Area Number |
12740370
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高山 千佳子 上智大学, 理工学部, 助手 (70322675)
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Keywords | オレフィン重合 / 複核錯体 / ジルコニウム / ロジウム / 電気化学 / 重合触媒 / NMRスペクトル |
Research Abstract |
オレフィン重合触媒の研究は、1954年のZiegler-Natta触媒の発明以来、精力的におこなわれているが、複核錯体の重合能が検討されている例はほとんどない。そこで本研究では、異なる金属からなる複核錯体を合成し、オレフィン重合を試みると同時に、触媒の重合活性能と電気化学的データとの相関関係を明らかにすることを目的とした。 シクロペンタジエニル基に二つのメチル基を有するジルコノセンと、ロジウムからなる複核錯体は、オレフィン重合において、対応する単核ジルコノセンに比べ、およそ2倍の重合活性および分子量を与える。そこで1年目はこれら複核錯体に加えて、シクロペンタジエニル基に四つのメチル基を有する同様の単核ジルコノセンおよび対応するロジウム-ジルコニウム複核錯体を合成した。これら錯体の重合挙動を検討したところ、先の錯体とは異なり、単核と複核錯体の重合活性、得られたポリマーの分子量には大きな違いは見られなかった。そこで2年目は、これら錯体の電子密度の見積もりの指標として、電気化学的測定およびジルコニウムの置換基をクロロからメチル基に変換してNMR測定を試みた。その結果、還元電位およびメチル基のカーボンおよびプロトンのケミカルシフトには相関関係が見られ、いずれの錯体においても錯体を複核にすることによりジルコニウムの電子密度は高くなっていることが示差された。電子密度が高くなっているにもかかわらず、後者の錯体においては、重合活性が向上しなかったことは、金属周りの4つのメチル基によるかさ高さ原因であると考えられる。以上のことよりこう活性の触媒を得るには立体的かさ高さ、反応場となるジルコニウムの電子密度の双方を考慮する必要があり、特にペンタメチルシクロペンタジエニル基のようなかさ高い置換基を有する錯体に関しては、立体障害が律速となり、電子密度をあげても触媒能を向上させることはできないことが分かった。
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Research Products
(1 results)