2000 Fiscal Year Annual Research Report
サイト選択XAFSを用いたクロム・コバルト・銅触媒表面活性サイト構造の研究
Project/Area Number |
12740376
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
泉 康雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (50251666)
|
Keywords | サイト選択 / 触媒表面 / 活性サイト / X線吸収スペクトル / 蛍光分光 / エネルギー分解能 / 化学シフト / 結晶分光 |
Research Abstract |
化学状態の異なるサイトを峻別してX線吸収微細構造(XAFS)スペクトルを測定するための検出装置を考案・製作し、触媒表面活性サイトの構造研究に応用した。 試料からの蛍光X線を結晶分光しサイトの違いによる蛍光X線の化学シフトを利用して、サイト選択XAFS測定を行なう。シンチレーションカウンターおよびビームサイズを規定するためのスリットを導入し、本検出装置を完成させた。 Cu/ZnO触媒および標準モデル試料について、SPring-8 Undulatorビームライン10XUで測定を行なった。Cu Kα発光スペクトル測定におけるエネルギー分解能は、蛍光分光装置(特にRowland円内のスリットサイズ)由来と、ビームラインのモノクロメーター(特にビームサイズ)由来とのconvolutionとなり、1.1 eVとなった。これはCu Kα_1についての内殻寿命自然幅(2.11 eV)より小さい。この高分解能およびCu^0-Cu^I間の化学シフトを利用して、金属銅とヨウ化銅(CuI)とを物理混合した試料および活性化されたCu/ZnO触媒について、蛍光分光装置をCu^0およびCu^Iにチューンした上でXAFS測定した。前者においてはそれぞれの価数サイトを峻別したスペクトルが、後者においては金属銅およびCu_2O+ZnO表面に原子状に分散したCu^Iサイトについてのスペクトルが60-90%の効率で得られた。まとめると、本手法により、触媒中に混在するサイト中から活性サイトのみの構造情報を明らかにできることが示された。またアルコール等の脱水素触媒であるCr/SiO_2触媒について、Cr^<III>とCr^<VI>サイトが触媒表面に共存する中からCr^<III>サイトについてのXAFSスペクトルを得た。 以上の成果を国内外3学会で発表し、さらなる高分解能化および新たな応用法について討論したので、発展の手掛りとしたい。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Yasuo Izumi,Hiroyuki Oyanagi,Hiroyasu Nagamori: "Site-Selective X-Ray Absorption Fine Structure (XAFS) Spectroscopy.(1)Design of Fluorescence Spectrometer and Emission Spectra"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 73・9. 2017-2023 (2000)
-
[Publications] Yasuo Izumi,Hiroyasu Nagamori: "Site-Selective X-Ray Absorption Fine Structure (XAFS) Spectroscopy(2). XAFS Spectra Tuned to Surface Active Sites of Cu/ZnO and Cr/SiO_2 Catalysts"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 73・7. 1581-1587 (2000)
-
[Publications] 泉康雄,永森弘康,清瀧史貴,湊丈俊,秋鹿研一: "蛍光分光サイト選択XAFSのCu/ZnO触媒活性サイトへの応用"触媒. 42・6. 413-415 (2000)
-
[Publications] Yasuo Izumi,Hiroyasu Nagamori,Fumitaka Kiyotaki,Taketoshi Minato.: "Site-selective XAFS Spectroscopy Tuned to Surface Active Sites of Cu/ZnO and Cr/SiO_2 Catalysts"Journal of Synchrotron Radiation. 8・(印刷中). (2001)
-
[Publications] Yasuo Izumi,Fumitaka Kiyotaki,Hiroyasu Nagamori,Taketoshi Minato: "Site-selective XAFS Spectroscopy Tuned to Surface Active Sites of Copper Catalysts"Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena. (印刷中). (2001)
-
[Publications] Fumitaka Kiyotaki,Taketoshi Minato,Yasuo Izumi: "Site-selective XAFS Spectroscopy Utilizing a Fluorescence Spectrometer for Model Systems of Copper Catalysts"SPring-8 User Experiment Report (2000B). 6(印刷中). (2001)