2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740393
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥山 弘 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60312253)
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Keywords | 水素 / パラジウム / 吸収 / 振動 / 遷移金属 / 分光 |
Research Abstract |
平成12年度に遷移金属表面における水素の挙動を理解する一歩として、その振動状態に関する研究を行ってきた。平成13年度ではその振動励起状態の動的振る舞い、すなわち緩和現象の解明を行った。振動励起状態の緩和速度は、拡散や吸収といった水素の挙動と密接に関係しているため、その解明は吸収効率に対する基礎となる。実験は代表的な遷移金属であるニッケルの(111)面と(100)面を用いて行った。その結果、振動緩和は基盤(ニッケル)のフォノンを介して進行し、その速度は非常に速く-10^<-14>秒と見積もった。このことはおそらく基盤の種類に依存しないと予想されるため、水素の挙動を理解する上で、基盤との相互作用を考りょする必要性を示している。 一方、パラジウム薄膜の作成に関しては、水素を吸蔵しないロジウム単結晶の(111)面上にパラジウムを加熱蒸着することにより行った。薄膜は層単位で進行し、その定量はオージェ電子分光を用いて行った。その結果、1〜5原子層のパラジウム薄膜の作成が可能となった。含まれる不純物はオージェ電子分光により、0.1%以下と見積もられた。現在、このパラジウム薄膜による水素吸収能について実験を行っている。
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[Publications] H.Okuyama, T.Ueda, T.Aruga, M.Nishijima: "Overtones of H vibrations at Ni(111) : Formation of delocalized states"PHYSICAL REVIEW B. 63. 233403-1-233403-4 (2001)
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[Publications] H.Okuyama, T.Ueda, T.Aruga, M.Nishijima: "Direct endence for the two-phonon bound states on the H/Ni(111) surface"PHYSICAL REVIEW B. 63. 233404-1-233404-4 (2001)