2000 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質-リガンド間相互作用における電気化学的評価とセンシングに関する研究
Project/Area Number |
12740402
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
菅原 一晴 群馬大学, 教育学部, 助教授 (30271753)
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Keywords | 糖質 / 自己集積膜 / 修飾電極 / レクチン / マーカーイオン |
Research Abstract |
1.ガラクトサミンとその糖質に選択的に結合するサイトを持っているレクチンの一つであるSoybean agglutinin(SBA)との相互作用を、ガラクトサミン-self-assembled monolayer修飾金電極を用いボルタンメトリーにより検討した。すなわち、電極表面上に形成したSBA膜中におけるFe(CN)_6^<3->の膜透過性の変化を測定することでこの相互作用の評価を行った。未修飾電極においてSBA以外のレクチンが共存してもFe(CN)_6^<3->の電極応答は減少した。これは電極表面へのレクチンの非特異的吸着に基づく電極反応の阻害であると推測される。修飾電極を用いた場合には、その応答はSBAにおいてのみ数十μg/mlのオーダーの濃度範囲で電流値は減少した。また、コンカナバリンAなどのレクチンについては電流値の変化は観察されなかった。従って、この現象はSBAとガラクトサミンの選択的結合から生じるものと考えられ、上述の修飾電極はレクチン-糖質間相互作用の評価に適した性能を持つことが明らかになった。 2.電極活性なドウノマイシンでラベル化した糖質を調製しSBAやCon Aとレクチンとの相互作用をボルタンメトリー的に評価する手法を開発した。ラベル化した糖質は特定のレクチンと結合することでドウノマイシン部分もレクチンに取り込まれるため、ドウノマイシンの電極応答は減少するものである。SBAはガラクトース、フルクトースに対して、Con Aではマルトースに選択的な結合サイトを持つことが知られており、それぞれのラベル化した糖質とレクチン間相互作用についての検討を行った。その結果、レクチン-糖質間結合によるドウノマイシンの選択的応答が観察され結合の評価が容易できることがわかった。今後、種々のレクチンに結合する糖質をラベル化し適用範囲を拡大する予定である。
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[Publications] Kazuharu Sugawara: "Voltammetric Behaviors of Lectin-Sugar Binding Using Au Electrode Modified with Galactosamine"Chemistry Letters. No.3. 214-215 (2000)
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[Publications] Kazuharu Sugawara: "Glucose sensing by a carbon-paste electrode containing chitin modified with glucoseoxidase"Journal of Electroanalytical Chemistry. Vol.482. 81-86 (2000)
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[Publications] Kazuharu Sugawara: "Electrochemical Sensing of Glucose at a Platinum Electrode with a Chitin/Glucose Oxidase Film"Analytical Sciences. Vol.16. 1139-1144 (2000)
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[Publications] Kazuharu Sugawara: "Voltammetric Detection of Lectin Using Sugar Labeled with Electroactive Substance"Analytical Sciences. Vol.17. 21-26 (2001)