2001 Fiscal Year Annual Research Report
DnaK遺伝子導入による植物の高温耐性および耐暑性の向上に関する研究
Project/Area Number |
12740444
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
日比野 隆 名城大学, 理工学部, 助教授 (70218741)
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Keywords | シャペロニン / DnaK / 耐塩性ラン藻 / 遺伝子導入タバコ / 遺伝子導入イネ |
Research Abstract |
1.耐塩性ラン藻の熱ショックタンパクdnaK(hsp70)遺伝子導入植物の作出 (1)dnaK遺伝子をバイナリーベクターに組み込み、アグロバクテリウム感染法を用いてタバコに導入した。dnaK遺伝子は、強力な35Sプロモーターで常時発現でき、遺伝子導入植物は、カナマイシン耐性で選抜できるようにデザインした。 (2)dnaK遺伝子の転写レベル・発現レベルの高い形質転換タバコをノーザンブロッテング・ウエスタンブロッテングの手法により選抜した。 (3)上記と同様の手法で、dnaK遺伝子導入イネを作出・選抜した。なお、dnaK遺伝子導入イネについては、ハイグロマイシン耐性で選抜できるようにデザインした。 2.dnaK(hsp70)遺伝子を導入した形質転換タバコ・イネの高温耐性の検定 (1)高温下における発芽率 dnaK遺伝子を導入した形質転換株、および野生株タバコの発芽率は、27℃条件で発芽させると、形質転換株および野生株タバコの発芽率は同じであったが、40℃条件で発芽させた場合、野生株タバコの発芽率は26.7%、形質転換株は81.7%が発芽した。 (2)高温下における光合成活性 形質転換株、および野生株タバコの上位葉・下位葉の光合成活性を測定した結果、上位葉で特に野生株タバコの活性が低下するのに対し、形質転換株は40℃処理6日間でも活性の低下は全く見られなかった。一方・下位葉ではどちらも活性は低下したが、形質転換株の方が失活速度が抑制された。 (3)高温下における水分含量 形質転換株、および野生株タバコの上位葉・下位葉の水分含量を測定した。上位葉・下位葉いずれにおいても水分含量は、形質転換株の方が野生株タバコより高く保たれていた。 (4)dnaK(hsp70)遺伝子を導入したイネの高温耐性の検定 上記の『形質転換タバコの高温耐性の検定』と同様,高温条件下における(1)発芽率、(2)光合成活性、(3)水分含量などの加えて、(4)生殖成長期において高温耐性が向上しているかどうかについても検討している。
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