2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750011
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
熊谷 義直 東京農工大学, 工学部, 助手 (20313306)
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Keywords | 環境半導体 / 鉄シリサイド / 気相エピタキシー / 塩化鉄 / ジクロルシラン / 熱力学解析 / シリコン基板 |
Research Abstract |
光通信に適した波長1.5μmで発光すると考えられる環境半導体鉄シリサイド(β-FeSi_2)の高品質結晶をシリコン基板上に気相法で成長するため、今年度は熱力学解析により成長可能な原料ガスの組み合わせ、成長条件の最適化を行うと共に、実際の成長装置(石英反応管、ガス供給系)の設計を行った。 熱力学解析の結果、鉄の原料に三塩化鉄(FeCl_3)、シリコンの原料にジクロルシラン(SiH_2Cl_2)を用いて、基板直前部分で水素ガス(H_2)と混合させることにより、次の反応、 FeCl_3(g)+2SiH_2Cl_2(g)+3/2H_2(g)=β-FeSi_2(s)+7HCl(g)によりβ-FeSi_2の成長が可能であるとの結果を得た。成長は基板温度600-900℃の範囲で可能であり、成長温度の増加に伴い大きな成長速度が得られることもわかり、国内の学会にて結果を報告した。 実際の結晶成長実験の準備であるが、当初、鉄の原料に有機金属原料を使うことも考えており、基板加熱方法は高周波誘導加熱を想定していたが、有機金属原料を用いた場合の炭素汚染の問題がわかり原料を塩化物原料へと絞り込んだため電気炉加熱にする必要が生じた。そのためガス供給系、石英反応管等に既製品を使えず、自作を考え現在、設計および作製を行っている。平成13年度は装置全体の組み上げを早期に終え、実際の成長実験を開始し、成長層の物性を評価することを目的とする。
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