2000 Fiscal Year Annual Research Report
MEE法による量子ナノ構造光変調デバイスの作製に関する研究
Project/Area Number |
12750036
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
盧 柱亨 横浜国立大学, 工学部, 助手 (50313474)
|
Keywords | MEE法 / 分子線エピタキシー / 5層非対称結合量子井戸 / 光変調器 / MBEシャッターコントローラー / ソースの交互供給 |
Research Abstract |
本研究では、理論的に予測される優れた特性を持つ5層非対称結合量子井戸(FACQW)およびFACQWを用いた超高速・超広波長域光変調デバイスの実現を目指している。そのためには、分子層のレベルでFACQW内の各層の厚さを精密に制御すると共に、界面の平坦性・急峻性を確保し、さらに多重FACQWの各セット間の厚さ、組成の均一性も確保する必要がある。そこで、本年度はGaAs/AlGaAs材料系において良好なFACQWを作製するための結晶成長技術の確立のためMigration Enhanced Epitaxy(MEE法)による高品質GaAs/AlGaAs-FACQWの作製および光学的評価を行った。 (1)現有のMBE装置を用いてMEE成長を行うため、パソコンで0.1秒刻みで制御が可能なシャッターコントローラーを自作、さらに、シャッターコントロラーを制御するためのシャッターコントロールプログラムを作成し、1分子層単位で精密に成長するための高品質でありかつ設計通りの厚さの量子ナノ構造(GaAs/AlGaAs-FACQW)の作製可能となった。 (2)成長界面の平坦性・急峻性を高めるため、より低温において平坦かつ急峻な界面が実現できると期待されるMEE(migration enhanced epitaxy)法において、結晶成長条件の最適化を行ない、界面の平坦性と急峻性が良好で正確な膜厚をもつ単一矩形量子井戸構造(RQW)をMBE法より低温(成長温度490℃)で作製することに成功した。 (3)(2)の方法によって改良されたMBE装置を用い、GaAs基板上にAlGaAs系材料を対象において、Asのない雰囲気忠でAlを供給するとGaとAlのintermixingが起ることを確認し、最初にAlとAsを同時に供給した後、Ga、Asを交互供給することで、平坦かつ組成比の均一性の半導体結晶が得られることを見出した。 (4)上記のMEE法に基づき結晶成長条件の最適化の手段として、フォトルミネセンス法により発光特性を、光吸収電流法により光吸収スペクトルを測定し、設計通りの量子ナノ構造ができていることを確認した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 鈴木達也,盧柱亨,荒川太郎,岡宮由樹,伊藤安弘,多田邦雄: "MEE法の5層非対称結合量子井戸光変調器作製への応用"第61回応用物理学会学術講演会・予稿集(4aZE-2). (2000)
-
[Publications] 数馬研介,多田邦雄,荒川太郎,盧柱亨: "5層非対称結合量子井戸の層厚ゆらぎを考慮した電界誘起屈折率変化特性の研究"第61回応用物理学会学術講演会・予稿集(4aZE-3). (2000)