2001 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解型極短パルスX線シャドーグラフによる光と物質の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
12750051
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
弘中 陽一郎 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (20293061)
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Keywords | フェムト秒レーザー / パルスX線 / シャドーグラフ / パルス電子線 / 磁場 / 電子飛程 / X線回析 / クーロン爆発 |
Research Abstract |
高輝度レーザーパルスを金属表面に照射した際に発生するレーザーアブレーション初期過程を時間分解X線シャドーグラフで直接観測することを目的として研究を行った。レーザーアブレーション初期過程の時間分解測定をとおして、光と物質の相互作用に関する知見を得るために、X線シャドーグラフといいた手段を選択すると同時に、電子線シャドーグラフ、X線回折、磁場との相互作用を用いてそのメカニズムの一端を明らかにした。本研究は二つに大別することができる。ひとつは波長800nm,パルス幅300psのレーザーパルスを10^<12>W/cm^2に集光した場合のアブレーション過程をX線シャドーグラフ、及び電子線シャドーグラフで測定することを試み、特に、電子線シャドーグラフではアブレーションにより高速で膨張する電子が作り出すと考えられる場の情報を時間分解測定で記録することに成功した。ここで、バックライトとして用いたX線、電子線はともに、テーブルトップTWレーザーシステムによって作り出される。したがって、もうひとつはこのX線、電子線の発生メカニズムに注目した。この場合、レーザーパルスはそのパルス幅を5fsまで圧縮し、10^<17>W/cm^2のパワー密度に集光する。この場合、現象そのものから放射されるX線そのものを診断光としたX線回折法による測定を行った。この結果、X線がレーザースポット径よりも広い領域から放射されてくることがわかり、プレプラズマによるプラズマ中の電子がメインレーザーパルスによって加速され、ターゲット(金属)表面に衝突するというモデルで説明することができた。また、このモデルから、鏡面反射方向に散乱された高エネルギー電子を磁場によって取り除くことにより、レーザー誘起X線源としての最適化を行い、X線回折像のSN比向上が達成された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 弘中陽一郎, 中村一隆, 近藤建一: "Angular distribution of x-ray emission from a copper target irradiated with a femtosecond laser"Applied Physics Letters,. Vol.77, No.25. 4110-4111 (2000)
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[Publications] 弘中陽一郎, 矢崎秋夫, 斎藤文一, 中村一隆, 近藤建一, 竹中久貴, 吉田正典: "Evolving shock-wave profiles measured in a silicon crystal by picosecond time-resolved x-ray diffraction"Applied Physics Letters. Vol.77, No.13. 1967-1969 (2000)
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[Publications] 矢崎秋夫, 岸村浩明, 川野秀隆, 弘中陽一郎, 中村一隆, 近藤建一: "Picosecond Time-Resolved X-ray Diffraction of a Photoexited Silicon Crystal"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.41, No.3A(in press). (2001)