2000 Fiscal Year Annual Research Report
Extended Landau Theoryによる実効エネルギー損失関数の導出
Project/Area Number |
12750054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永富 隆清 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90314369)
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Keywords | Extended Landau theory / 実効エネルギー損失関数 / 反射電子エネルギー損失分光法 / 表面励起 / バルクプラズモン / 表面プラズモン |
Research Abstract |
本年度は、Al、Cu、Ag、Auなどの基本的な金属の清浄表面に対してREELSスペクトルの精密な測定を行い、Extended Landau Theoryを用いたREELSスペクトル解析により実効エネルギー損失関数を導出し、これらの金属表面でのバルク及び表面励起に関する知見を得ることを目指して研究を行った。現在までに得られている結果は以下の通りである。 1.円筒鏡型エネルギー分析器(CMA)への応用 これまで本解析法は、半球型エネルギー分析器(CHA)により測定したREELSスペクトルに対して応用してきた。本研究で得られる実効エネルギー損失関数の精度を向上させるためには、測定したスペクトル自体の高い精度が要求される。そこで、日本で最も高精度な電子分光スペクトルの絶対測定が可能である、名古屋工業大学の後藤らの開発したオージェ電子分光(AES)装置によるスペクトル測定を行った。本装置では、通常のAES同様CMAを備えており、CMAではCHAに比べ検出立体角が大きいため、本解析法が適用可能かを検討する必要があった。そこで、実際に入射エネルギー1keVで測定したAuに対するREELSスペクトル解析を行い、本解析法が応用可能であることを確認した。 2.Al、Cu、Ag、Auのスペクトル測定 Al、Cu、Ag、Auについて、不純物濃度0.05〜0.01%の試料を用いて、入射エネルギー1keVでのREELSスペクトルの測定を行った。また、これまで表面励起について詳細な研究が殆ど行われていない入射エネルギー100eVでのスペクトル測定も行った。現在これらのREELSスペクトルの解析を行っている。特に低入射エネルギーでは特異なエネルギー損失構造を示しており、新たな知見が得られると期待される。
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