2001 Fiscal Year Annual Research Report
空力弾性効果を考慮したはりの非線形波動方程式に関する研究
Project/Area Number |
12750061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡邉 陽介 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (30304033)
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Keywords | 空力弾性 / トンネル / 弾性はり / たわみ / 定常進行波 |
Research Abstract |
空力の効果を考慮したトンネル内の列車の走行の安定性について調べるため,トンネルと列車の系を,円管と円管内の中心軸上を一定速度で運動する円形断面をもつ一様な弾性はりからなる系としてモデル化をおこなうと,弾性はりを伝播する波を記述する単一の非線形波動方程式を導出することができる.本研究では,導出された非線形波動方程式について,この方程式自身の性質および方程式の解の性質・挙動を,数値的および解析的に調べ,弾性はりの運動を明らかにすることを目指している. 前年度までの研究で,(1)この波動方程式で定常進行波解を仮定することにより得られる非線形の常微分方程式が,空力効果をあらわす微小量(σで表す)を用いた摂動展開により,定常な非線形Schrodinger方程式に帰着すること,また,(2)この常微分方程式が,無限遠方で撹乱の無い境界条件の下で,包絡孤立波を数値解としてもち,この数値解と,非線形Schrodinger方程式から得られる包絡ソリトン解との定量的な比較がよい一致を示すことを明らかにしている. 1.今年度の研究では,まず,さらに幅広く,常微分方程式がもつ解について調べるため,無限遠方で有限振幅を許す境界条件の下で,解を解析的に探すことをおこなった.その結果,Jacobiの楕円関数で表される周期解を厳密解としてもつことがわかった.また摂動展開により,周期的な変調を受けた波列を解としてもつこと,さらにある極限をとると,この解は既に得られている包絡孤立波解に帰着することがわかった. 2.次に非線形解を線形解の拡張としてとらえる観点から,波動方程式の線形分散特性を調べた.σに関する摂動展開を用いることにより,分散曲線と,前年度および1.で得られた解の存在の関係を,解析的に明らかにした.またこの分散曲線から外れた,有界な線形解が存在しない領域で,数値計算により非線形解の振る舞いについて調べた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yosuke Watanabe et al.: "Nonlinear flexural waves on an elastic beam traveling along its axis in an air-filled tube"The Abstract Book for ICTAM2000. TAM Report No.950. 207 (2000)
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[Publications] Nobumasa Sugimoto et al.: "Derivation of nonlinear wave equation for flexural moyions of an elastic beam traveling in an air-filled tube"Journal of Fluids and Structures. 16(5). (2002)