2000 Fiscal Year Annual Research Report
YAGレーザを用いたシリコンウエハの精密割断加工システム
Project/Area Number |
12750095
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 啓司 金沢大学, 工学部, 助手 (50242532)
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Keywords | YAGレーザ / シリコンウエハ / ダイシング / 熱応力割断 / 温度測定 |
Research Abstract |
NCテーブルによって一定の送り速度でシリコンウエハを移動させ,Nd:YAGレーザをパルス照射して割断加工を行った.この際,光ファイバ型2色温度計を用いて,レーザ光照射部の温度を非接触で計測している.同温度計は光ファイバ,光電変換素子,レンズなどの光学部品と光電変換素子の出力を増幅・記録する信号処理系からなっており,パルスレーザ照射時の非常に何時間の温度上昇を捕らえることができる.加工後のシリコンウエハは,加工精度に着目して,レーザ照射面の照射痕サイズと割断面のあらさを測定し,これらと照射部温度の関係について調査した.加工条件の検討の結果,照射痕を残さずに割断することが可能となった. 加工時に発生するAE(Acoustic Emission)波を測定することで,レーザの照射開始からき裂が進展するまでのタイミングを観測した.観測したAE波発生のタイミングから,加工損傷の原因となる副き裂発生と加工に必要とされる主き裂発生とを判別することが可能となった.さらに,き裂先端周囲の温度分布,熱応力分布を有限要素法によって解析し,き裂進展時の応力拡大係数K_1と破壊靭性値K_<1C>を比較検討を行っている.有限要素法による照射部温度解析については,来年度行う予定であるシリコンウエハのレーザ光吸収率測定の結果を適用することで,さらに信頼性を高くする予定である. また,比較のため,シリコンと同じく脆性材料であるガラス,Al_2O_3-TiCを加工材料とした割断加工を行い,いずれの場合も割断加工が可能な適切な加工条件を見い出しており,現在,加工損傷評価を行っている.
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Research Products
(1 results)