2001 Fiscal Year Annual Research Report
可動電極形ERアクチュエータを用いた高機能な力制御システム
Project/Area Number |
12750111
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 豊 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (80293059)
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Keywords | 機能性流体 / 直動 / サーボ系 / ER流体 / アクチュエータ / 位置制御 / ER効果 / 力制御 |
Research Abstract |
ER流体を用いることにより,可動部なしで電気信号で直接流体パワーを制御することが可能となる.本研究課題はER流体を作動流体としER流体の粘性変化を利用した,粘性駆動による新しい動作原理のアクチュエータ(Movable Electrode Type ER Actuator : METERA)を用いて,高機能な力制御システムを実現すること目的としている.本年度は,すでに昨年度に試作されている直動形METERA(L-METERA)を用いたサーボ系を構築し,より実用的なアクチュエータとしての可能性を検討している.L-METERAは,粒子分散系ER流体の特徴であるビンガム流体的特性を生かすことで,アクチュエータの発生力を容易に制御可能となり,高機能な力制御システムを実現できる.試作したL-METERAの大きさは外形100×350×50mmである.ストロークは140mmである.設計上,最高速度は100m/s,最大発生力は60Nである.実施結果の具体的内容は以下のとおりである. まずMETERAの印加電界強度・発生力間の静特性について実験的に検討している.実験の結果,印加電界強度2.7kV/mmにおいて発生力16Nが得られた.ただし,摩擦力により比較的大きなヒステリシスが生じており,今後の検討を要する.ついで,P制御による位置決めサーボ系を構築し,ステップ応答および正弦波入力応答について検討し,十分な位置決め精度が得られることを示している.最高速度として88mm/s,精度として0.4mm,バンド幅として0.8Hzが得られた.また,PI制御による力サーボ系を構築し,発生力のステップ応答および正弦波入力応答について検討し,簡易な制御方法で十分な力制御ができることを示している.精度として0.1N,バンド幅として8Hzが得られた.
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