2000 Fiscal Year Annual Research Report
円管内旋回乱流を対象としたLESのための入口変動風生成法に関する研究
Project/Area Number |
12750130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 勝彦 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70251460)
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Keywords | 旋回流 / 熱線流速計 / LES / 変動風 |
Research Abstract |
本年度は,平成9年度科学研究費により作製した実験装置の改良を行った.本研究の目的を達成するには,LESの入口変動風の生成に不可欠な各方向速度の変動成分の瞬間値及びパワースペクトルとクロススペクトルを計測する必要がある.そのため,傾斜型熱線をX型熱線に変更した.円管内の流れ場計測に適したX型熱線プローブを作製する際,支持針の形状・2本の熱線の長さ・取付角度・間隔が重要となる.このため,レーザー用光学機器のXYステージ・θステージを新たに購入し,それらを組合せて0.01mmと5'表示精度で熱線支持針の位置を制御し,実体顕微鏡を用いて5μタングステン線を熱線支持針に半田づけする装置を作成した. 同時に,旋回乱流の予測精度に優れているLESを用いた計算コードの構築を進めた.基礎となる計算コードに「次世代乱流解析ソフトウェア研究会」が公表している「差分法LES」を用いることで,開発期間の短縮を実現した.本年度は,円管中心部分の特異点の取り扱いにKnut Akselvoll & Parviz Moinの方法を用い,計算コードをデカルト座標系から円柱座標系に変更した.この計算コードを用いて,十分発達した円管内乱流の計算コードを構築した.更にモンテカルロ法に基づく星谷勝の方法を用いて,目標とする変動成分の分布と各点のパワースペクトルを基に変動風を生成する計算コードを開発した. 来年度は,検定風洞を用いて熱線流速計の特性を評価し,その後円管内旋回乱流の流れ場を計測し,計算コードの評価に耐え得る実験計測データの蓄積を行う.更に「差分法LES」の入口境界条件に変動風生成法を組み込むことで,円管内旋回乱流を対象とした計算コードを構築し,実験計測値と比較検討することで,円管内旋回乱流の乱流構造を考察する.
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