2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750145
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小方 聡 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50315751)
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Keywords | 回転円板 / 摩擦モーメント係数 / 抵抗減少 / 界面活性剤水溶液 / 境界層 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
界面活性剤水溶液による回転円板摩擦の抵抗減少のメカニズムに関連する容器内回転円板周りの流れの特性を明らかにするため,アルミ粉法およびタフト法により,界面活性剤水溶液中の回転円板上流れの可視化を行った. 実験に使用した円板はアルミニウム製で直径180mm,厚さ3mmである.供試円板は透明アクリル樹脂製の容器内で回転する.供試流体として界面活性剤であるEthoquad O/12の200ppm水溶液にカウンターイオンとして等モル量のサリチル酸ナトリウムを加えたものを用いた. アルミ紛法による可視化実験は,周辺を暗幕により暗くしアルミ粉を懸濁させた供試流体を用い,円板の側面からレーザーによるスリット光を当て正面から写真撮影をすることで行われた.タフト法には表面にタフトを48本接着した円板を用いた.撮影はストロボライトを円板の回転数に同期させ行われた. アルミ紛法による可視化実験より,界面活性剤水溶液は回転円板上流れの遷移域に見られる螺旋渦の強さを弱め,円板上の流れを水道水と比較して半径方向外側に向けることが明らかになった.また,乱流域においても界面活性剤水溶液は乱れを抑制し,流れは半径方向外向きとなる.これらの結果,界面活性剤水溶液中の回転円板摩擦モーメント係数は減少すると考えられる. タフト法による可視化実験より,層流域では界面活性剤水溶液が流れ角に及ぼす影響はほとんどなく,界面活性剤水溶液は遷移域以降の流れに影響を与えることが明らかになった. また,従来の界面活性剤水溶液の対数速度分布を基にして,運動量積分方程式による回転円板摩擦モーメント係数の解析を行った.従来の実験結果と比較した結果,抵抗減少効果を示す界面活性剤水溶液中回転円板流れの摩擦モーメント係数に関して,最大抵抗減少漸近線を明らかにした.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Satoshi Ogata: "Flow Characteristics of A Rotating Disk in Surfactant Solutions"Proc. Of Rheology and Fluid Mechanics of Nonlinear Materials ASME IMEC&E '00. FEDVol.252. 41-48 (2000)
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[Publications] 小方聡: "界面活性剤水溶液中の回転円板周りの流れ特性"日本機械学会2000年年次大会講演論文集. IV. 167-168 (2000)
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[Publications] 小方聡: "添加剤の回転円板摩擦モーメント係数に対する最大抵抗減少漸近線"日本機械学会第78期流体工学部門講演会論文集. No.00-14. 175 (2000)