2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750150
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
奥山 正明 山形大学, 工学部, 助教授 (20241721)
|
Keywords | すす粒子生成 / メタン空気予混合火炎 / 輝炎 / 多環芳香族炭化水素 / 濃度測定 |
Research Abstract |
本研究は,メタン・空気予混合ふく射制御火炎を対象として,気体分子しか存在しない発熱反応帯とすす粒子が存在する輝炎との間に存在する非発光領域に焦点を絞り,すす粒子生成過程を明らかにするものである.これまでの研究では,すす粒子生成に大きく関与していると考えられるイオンに注目し,静電探針(ダブルプローブ)法により火炎内のイオン濃度の測定を行うと共に,すす粒子の前駆物質と考えられる多環芳香族炭化水素の濃度測定を行った.平成12年度は,多環芳香族炭化水素の濃度分布測定の範囲を非発光領域のみならず,輝炎内部にまで拡大して,温度分布測定と合わせて多環芳香族炭化水素の反応過程の検討を行った.その結果,以下の実験結果が得られた. (1)メタンの酸化領域においてアセチレンとほぼ同時期にベンゼンは生成・増加し,最高火炎温度の下流側の輝炎内部ではほぼ一定となる. (2)フェニルアセチレン及びナフタレンはベンゼンより遅れて生成・増加し,ベンゼンの濃度が一定となる領域(輝炎内部)で最大となり,急激に減少する. (3)フェニルアセチレンはスチレンより遅れて生成し輝炎内部ではほぼ一定となる. (4)トルエン及びインデンの濃度分布はナフタレンとほぼ同じ分布となる. 以上の結果,アセチレンやベンゼンは多環芳香族炭化水素の生成に大きく関与していると共に,フェニルアセチレン,トルエン,インデンやナフタレンはすす粒子の成長過程に大きく関与しているものと考えられる。
|