2001 Fiscal Year Annual Research Report
ガスタービン高性能化のための等温膨張燃焼ノズルに関する基礎的研究
Project/Area Number |
12750161
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 元浩 京都大学, 工学研究科, 助手 (90314236)
|
Keywords | 等温膨張燃焼 / ガスタービン / 高温・高速流 |
Research Abstract |
ガスタービン単体の効率を改善するための一つの方向性であるタービン入口温度の上昇は,材料の耐久性等により制限される.そこで,違った観点から熱効率向上させるための方法として,等温過程を導入することが考えられる.具体的には,タービン動翼内で燃焼を行うことを想定する.一般的にタービンにおいては断熱膨張をし,仕事の抽出が行われ,同時に作動ガスの全温度が低下するが,全温一定膨張燃焼タービンにおいては,制御した燃焼を行うことで全温一定条件を保ちつつ,仕事の抽出を行う.まず,等温膨張燃焼ガスタービンサイクルのサイクル解析を行った.理想的なガスタービンサイクルに等温過程を導入することは,熱効率にとってマイナスの影響を及ぼす.しかしながら,タービンに断熱効率が存在する実機を想定すると,等温膨張燃焼過程の導入により,効率の改善が期待できる.また,断熱効率の影響により,過度の高圧化は熱効率を悪化させるが,等温膨張燃焼過程を組み込んだサイクルでは高圧領域でも,熱効率は改善される.また,近年,注目されているマイクロガスタービンにおいても,等温膨張燃焼は効果を発揮する.マイクロガスタービンにおいては,タービンの断熱効率が低いことが熱効率向上の足枷となっているが,等温膨張燃焼過程の導入により大幅に熱効率を改善することができることが明らかになった.また,この等温膨張燃焼に関する実験にも着手した.マイクロガスタービンの半径流タービンにおける等温燃焼を想定し,同程度の流量・温度が実現できる高温・高速風洞を作成した.その風洞から出される高温の空気を自動車の過給用のターボチャージャーに導入し,タービンの基本的な特性を測定した.そのタービン部に燃料を投入し着火しようとしたものの,種々の問題があり,燃焼を完全に行うことができてはいない.しかし,問題点を明白にし,それぞれ克服のための方向を確認できた.
|