2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750179
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30313331)
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Keywords | テザー / スラスタ / 群衛星 / 編隊飛行 / 協調制御 / 軌道上サービス / 回転運動 / リール機構 |
Research Abstract |
平成12年度は、テザード群衛星システムが編隊飛行による干渉測位等のミッションを遂行することを想定し、システムが質量中心回りに一定の面内で回転運動を行うための制御法を確立した。具体的には、軌道運動を考慮したダイナミクスのモデル化・定式化を行い、本システムが回転運動を行うために必要なテザー張力およびスラスタ推力を求めた。そして、数値シミュレーションによって、スラスタ燃料消費量を最小にしながらシステムを任意の隊列および姿勢で回転運動させるようなテザー・スラスタ協調制御法を確立した。 また、テザード群衛星システムのテザー制御実験を行うためにテザーの伸展・回収を行うリール機構を開発した。その特徴としては、テザーの張力および長さの測定機能を持ち、張力零条件下でもテザーの展開・巻取が可能であることが挙げられる。特に後者は、従来のリール機構では、あまり実現されていないが、内部張力を持たせることによって実現させた。このリール機構を、フラットフロア上を空気浮上する3機の擬似衛星システム(既存)に搭載し、本協調制御法を適用し、回転運動させた場合の各衛星の運動およびスラスタ消費量を、シミュレーション結果と比較することによって、実験検証を行った。 本研究によって、本システムは、従来システムに比べ、干渉測位ミッションや重力発生ミッション等の編隊飛行に必要なスラスタ燃料を大幅に減少させ、かつ、運動をより高精度で実現できることを示した。また、本協調制御法は、スペースエレベータの物資運搬制御や軌道上テザーサービス衛星の不具合衛星に対する捕獲・回収・係留制御にも応用ができると考えられる。
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[Publications] 松永三郎,森治,狼嘉彰: "摩擦・衝撃を伴うテザー多体システムの動力学(第2報:数値シミュレーション)"日本機械学会論文集 C編. Vol.66 No.646. 1731-1739 (2000)
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[Publications] Osamu Mori and Saburo Matunaga: "Tension Control Tethered Satellite Cluster"22nd International Symposium on Space Technology and Science. Vol.II. 1786-1794 (2000)
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[Publications] Osamu Mori and Saburo Matunaga: "Research and Development of Tethered Satellite Cluster Systems"Proc.2000 IEEE/RSJ International Conf.on Intelligent Robots and Systems (IROS2000). Vol.3. 1834-1840 (2000)
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[Publications] Saburo Matunaga,Osamu Mori,Takuya Kanzawa,Shingo Tsurumi and Naohide Maeda: "Concept of Robot Satellite Cluster and Ground Experiment System"Proceedings of TITech COE/Super Mechano-Systems Workshop 2000. 103-111 (2000)
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[Publications] 松永三郎,森治,鶴見辰吾,前田直秀: "群型テザード衛星のシステム研究"ロボティックス・メカトロニクス講演会(CD-ROM). 2A1-84-124. (2000)
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[Publications] 森治,松永三郎: "群型テザード衛星システムの編隊飛行制御"第44回宇宙科学技術連合講演会講演集. 上巻. 722-727 (2000)