2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750182
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小松崎 俊彦 金沢大学, 工学部, 助手 (80293372)
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Keywords | 吸音パネル / ニューラルネットワーク / 室内音響制御 / 圧電素子 |
Research Abstract |
吸音パネルは一般的に背後に空気層を設け,受動型の吸音装置として用いられるが,まずはパネルのアクティブ制御による静音化について検討するために,箱型閉空間の壁面の一部に弾性パネルの埋め込まれたモデルを考え,パネルの振動放射音を考慮した室内音場に関する数値計算モデルの構築を行った.弾性平板以外の壁面は剛壁とし,室内フロアに点音源が一つあるものとする.また,パネルに圧電素子を貼り付けることによりパネルの振動を励起・制御し,圧電素子の特性を考慮した弾性平板の振動についても定式化を行った. 制御系としては,音源の多様性や構造物の動特性変化,パネル移設など諸条件の変化に対応可能と考えられるニューラルネットワークを用いることとした.音源として単一周波数の正弦波を選択し,いくつかの周波数について室内音響制御シミュレーションを行った.これまでのところ特定の周波数について若干の音圧低減が見られたが,十分な効果の確認には至っていない.ここで,制御効果は制御系への入力および出力値の評価に用いる信号の選択に依存することが考えられ,また評価点での音圧値が最小となる手法を採用しているために,空間全体に渡り音圧が十分抑制されないことが考えられる.今後の取り組みとして,評価点を複数設けることや,音響パワーによる評価について検討する予定である.さらに,パネル背後の空気層を考慮した受動的吸音効果についても数値解析および実験的に検討を行う.
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