2001 Fiscal Year Annual Research Report
カオス理論に基づく時系列短期予測法と並列処理を用いた機械構造系の予測制御
Project/Area Number |
12750193
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
増本 憲泰 早稲田大学, 生命・生体・福祉研究所, 助手 (80312081)
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Keywords | 振動制御 / ディジタル制御 / カオス / 時系列予測 / 予測制御 / 並列処理 |
Research Abstract |
初年度(平成12年度)は,予測制御法に並列処理技術を組み込んだ並列処理予測制御システムの構築とその性能評価を行うため,数値計算を中心に研究を進めた.しかしながら,初年度の研究終了時では数値的検討の余地が少なからず残されており,さらなる性能の向上が見込まれたため,本年度(平成13年度)の前半は並列処理予測制御システムの改良を行った.改良手法をDuffing系の予測制御に適用し数値計算を通して検討した結果,初年度の研究終了時と比較して、並列処理部分のみの改良により計算時間が38.5%削減された.しかしながら,1回のプロセスに費やす計算時間がサンプリング時間以下とはならず,さらに予測制御プロセスのデータ処理部分を大幅に改良することによって,数値計算においては十分な処理速度を達成した.この成果は,日本機械学会Dynamics and Design Conference 2001にて報告された. 本年度の後半では,並列処理予測制御システムを用いた実験システムの構築とその性能評価を行った.対象系は数値計算により既に多くの検討がなされている強制減衰振子系とした.振子は寸法が200mm×16mm×10mmのジュラルミン製の直方体とした.また,振子の支持点(端点から8mm)には水平方向に正弦波状の強制変位入力が加えられ,回転方向の比例粘性減衰を考慮した.振子の角変位時系列を予測対象とし,制御入力はDCサーボモータにより支持点にトルクを付加することによって与えた.種々の検討の結果,サンプリング時間内の計算回数を約10倍程度まで向上させることができ,その結果として従来手法を用いた実験結果よりも制御性能を向上させることができた.今後はさらに詳細な検討を行い,日本機械学会や米国機械学会に投稿する学術論文としてまとめ,その成果を公開していく予定である.
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