2000 Fiscal Year Annual Research Report
ノンプローブ近接場光学顕微鏡によるナノ微生物の3次元形状計測
Project/Area Number |
12750211
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
江上 力 静岡大学, 工学部, 助教授 (70262798)
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Keywords | 光メモリ / 近接場光学顕微鏡 / ナノテクノロジー / 微生物 / 3次元光計測 |
Research Abstract |
【近接場記録用の高空間分解能フォトクロミック光メモリの開発成果】 本年度は,微生物からの放射近接場を数ナノメートルの空間分解能で記録するための高速フォトクロミック光メモリ材料の探索とその耐水性薄膜記録メディア化について研究を行った。近接場光メモリ材料としてアゾ系フォトポリマであるウレタン-ウレア共重合体を開発し,その薄膜メディア化にも成功した。この薄膜材料は色素部の共鳴中心付近488nmのCW-Ar^+レーザ光を照射することにより,表面形状と内部屈折率が共に変化する特性を持つことが分かった。この記録特性をさらに詳細に調べるため,同薄膜メモリに強度変調型のボリュームホログラムを記録・再生する実験を行った。その結果,ホログラムの強度変調パターン(近接場顕微鏡の場合は近接場の等エネルギ面)を数十nmの微細な凹凸構造としてフォトコピーでき,一度記録した表面の凹凸はポリマのガラス転位点付近の過熱でも保持されることを確かめた。しかも,記録に要する光エネルギの閾値が2J/cm^2と極めて低く,空間分解能も数nmを十分に確保できることも確認した。ただし,内部の屈折率情報は加熱処理により完全に消去された。これは光照射により配向された内部アゾ分子が熱緩和したために屈折率等方性媒質へと戻ったためと考える。このような消去可能な情報記録特性は本研究テーマのノンプローブ近接場光学顕微鏡開発とは直接に関係しないが,大容量ディジタルホログラム技術への転用が期待される成果である。以上の測定から,ウレタン-ウレア薄膜光メモリが低エネルギで動作する高空間分解能な近接場光メモリとして十分利用できることが確かめられた。次年度は本年度研究で開発した凹凸記録型近接場光メモリを利用してNON-PROBING SNOMシステムを構築し,微生物等ナノ物体の三次元画像観測を行う.
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[Publications] Y.Aoshima: "Optical properties of urethane-urea copolymer films for data storage"Polym.Adv.Tech.. Vol.11. 575-578 (2000)
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[Publications] C.Egami: "Two-stage optical data storage in azo polymers"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.39. 534-537 (2000)
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[Publications] Y.Kawata: "Optical Near Field Induced Change in Viscoelasticity on an Azobenzene-Containing Polymer Surface"The Journal of Physical Chemistry B. Vol.104. 9055-9058 (2000)
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[Publications] O.Watanabe: "Transcription of near-field induced by photo-irradiation on a film of azo-containing urethane-urea copolymer"Mol.Cryst.and Liq.Cryst.. Vol.345. 305-310 (2000)
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[Publications] O.Watanabe: "Topographical change of azopolymer surface induced by optical near-field around photo-irradiated nanoparticles"IEICE Trans.Electron.. Vol.E83-C. 1125-1127 (2000)
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[Publications] O.Sugihara: "Single-pulse ultraviolet laser recording of periodically poled structure in polymer thin films"Appl.Opt.. Vol.39. 5632-5637 (2000)