2000 Fiscal Year Annual Research Report
単一光プロセスによる三次元周期構造物の作製とそのフォトニック結晶への応用
Project/Area Number |
12750221
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松尾 繁樹 徳島大学, 工学部, 助手 (20294720)
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Keywords | 干渉 / フォトニック結晶 / 周期構造 / フェムト秒レーザー / 位相 |
Research Abstract |
本研究で提案した手法により,回折ビームスプリッターを用いたレーザー光の干渉による三次元微細周期構造の作製を行った。干渉について計算を行った結果,コントラストの良い三次元構造の作製のためには,干渉させる光波の相対強度の調整が必要であることが明らかになった。そこで,使用している回折ビームスプリッターに合わせて,スパッタ法により空間的に透過率が変化しているフィルターを作製した。このフィルターを用い,またレーザー光強度と照射時間,材料として用いているフォトレジストの前処理・後処理条件などのパラメーターを最適化することにより,単一の光照射プロセスによって三次元微細周期構造を作製することに成功した。この時,光源としてはフェムト秒チタンサファイアレーザーからのレーザーパルスの第二高調波(380nm)を用いた。このパルスの長さは空間にして数十マイクロメートル程度であるが,干渉する各光路の長さを全く調整することなく干渉を起こすことができ,本研究の手法の有効性が明確になった。 これに加えて,光波間の相対的な位相を厳密に制御することによって干渉パターンひいては形成物の構造を変えられることが,計算により明らかになった。これを実現するためには各光路の相対長さをサブマイクロメートルで調整することが必要であり,現在の光学系では対応できない。そこで,その制御を行うための新たな光学系について検討し,実験に着手した。
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