2000 Fiscal Year Annual Research Report
零電圧スイッチング昇圧器付きPWMインバータによる永久磁石電動機の高効率駆動
Project/Area Number |
12750245
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 吉朗 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70220457)
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Keywords | 昇圧チョッパ / PWMインバータ / 電流可逆チョッパ / 永久磁石同期電動機 |
Research Abstract |
電気自動車の普及に対する一番の問題は,一充電走行距離が短いことである。これを伸ばすためには,バッテリの高性能化とシステム全体の効率改善が重要である。効率改善の対象としては,動力伝達系,電動機本体,電力変換装置などがあるが,本研究では,零電圧スイッチング昇圧器付PWMインバータを用いて永久磁石形同期電動機を駆動することによる電動機+電力変換装置系の効率改善を目的とする。 一年目である本年度は,まず,零電圧スイッチング動作を含まない昇圧チョッパ回路(電流可逆チョッパ回路)とPWMインバータを組み合わせた装置を試作し,バッテリ電源により速度の加減速を行った。本装置では,低速時には昇圧チョッパ回路を常に導通することで動作を止め,PWMインバータのみによって電動機を駆動する。電動機を制御するために必要な電圧がバッテリ電圧を超える高速時には,昇圧チョッパにより直流リンク電圧を上げることで,インバータ側のPWMを続けながら出力電圧を上げ,電動機速度を上昇させていく。当初,昇圧チョッパの起動時,停止時に直流リンク電圧の変動が起こっていたが,直流電圧PI制御の積分リミットの調整によりこれを抑えた。また,昇圧チョッパ前後のコンデンサの容量が,直流リンク電圧変動(特に電動機回生動作時)に与える影響について検討し,直流リンク部のコンデンサ容量は電圧リプルを許容できる範囲でできるだけ小さくした方がよいことを明らかにした。さらに,チョッパ部の安定性を改善するために,直流電圧制御部の構成を検討し,より安定な構成を提案した。 二年目である来年度は,チョッパ部を零電圧スイッチング化し,この際の問題点,特性等についての検討を行う予定である。
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Research Products
(2 results)