2000 Fiscal Year Annual Research Report
STM探針を用いた、カーボンナノチューブによるナノワイヤリング技術の開発
Project/Area Number |
12750257
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青木 伸之 千葉大学, 工学部, 助手 (60312930)
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Keywords | STM(走査型トンネル顕微鏡) / CNT(カーボンナノチューブ) / マニピュレーション / ナノワイヤリング / パルス電圧 |
Research Abstract |
走査型電子顕微鏡(SEM)中で使用可能な走査型顕微鏡(STM)ヘッドの作製を行ってきた.その試作機として,本年度は大気中で動作するSTMヘッドの作製,制御装置ならびに画像取り込み用ソフトウエアの開発を行った.その結果,SiO_2基板上に蒸着した10nm程度の粒径のAuクラスターを観察することができた.この実績を踏まえ,現在JEOL製のSEMチャンバー中に導入できるよう,5cm四方程度の大きさのSTMヘッドの設計を行っている. また,STM探針によるCNTのマニピュレーションならびにナノワイヤリングに対する予備実験を,北陸先端科学技術大学院大学において,同大学に設置されているSEM/STM複合装置を用いて行った.その際,基板上に分散したCNTにSEM像を観察しながらSTM探針をアプローチし,1本のCNTを選択し,その形状を観測することができた.それによると,本研究室で作製した多層CNTの多くは単体ではなくバンドル状になっているものや,表面が厚いカーボンナノ粒子で覆われているものがあるということが分かった.また,パルス電圧の印加によりそのバンドルをほどくことができることも分かった.STM探針によって一本のCNTを持ち上げることはできなかったが,基板に沿って動かすことや,パルス電圧の印加によっての切断等もできることが示された.そして,STM探針をCNT上にアプローチした場合,パルス電圧を15ボルト以上にすると,CNTのバンドルがほどけることや,CNTが切断されるといった現象が観測できた.それにより,CNTのワイヤリング技術でパルス電圧の印加を用いる場合は,15ボルト以下で行う必要があるこという指針が得られた.
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