2000 Fiscal Year Annual Research Report
斜方蒸着カルコゲナイドガラス薄膜による光メモリとマイクロレンズの研究
Project/Area Number |
12750264
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
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Keywords | カルコゲナイドガラス / 光メモリ / マイクロレンズ / 光構造変化 |
Research Abstract |
最近、レーザーショットによって、カルコゲナイドガラス薄膜の結晶とアモルファス相との間の"相変化"を利用したメモリデバイスがすでにDVDとして実用化しているが、これは熱による熔融を利用するため、ジッタと呼ばれる無駄な記憶スペースが大きいのが難点である。本研究は熱熔融を伴わない同一相での大きな光誘起現象を利用することを提案する。一方、マイクロレンズの作製には電子(イオン)ビームやレーザアブレーションが有効とされているが、本方法は単純な方法でしかも"熱"を介在しないのが特徴である。光膨張を利用して凸レンズ、光収縮を利用して凹レンズが可能となる。純粋な光誘起現象を利用した凹レンズへの試みはない。 本研究は一見異なるように思われる、"光メモリ"と"マイクロレンズ"の試みを同時に調べようとするものである。デバイスへの基礎研究のため、これらの薄膜が示す基本的性質を明らかにすることにまず重点をおく。これらの光誘起現象はいずれも光照射中の光流動性が重要であるので、研究期間において、その場観察を容易にするための研究環境(設備)の整備と巨大変化を誘起する条件を探索することを第一の目的とした。その結果過渡現象(照射中)と準安定現象(照射後)の分離に成功し、結果をPhys.Rev.B(Rapid Communication)に掲載した。この結果はマイクロレンズへの応用を考えるとき、光照射時のみ"レンズ化"するという新しい方向性を暗示しており、現在実験準備にとりかかっている。
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