2001 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導クーパー対のコヒーレントトンネリングを利用した量子論理ゲートの研究
Project/Area Number |
12750289
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野美 武 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70312676)
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Keywords | 超伝導 / ジョセフソン接合 / 量子計算 / クーパー対 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、長伝導微小ジョセフソン接合を用いた量子論理ゲートの実現に向けて、微小接合集積プロセス確立を目指して研究を行った。回路の試作は、Nb/ALOx/Nbジョセフソン集積回路技術と電子ビーム露光による微細加工技術を駆使して行い、微細加工プロセスとして現有のRIE装置を用いて微細加工を行った。同プロセスにおいて、サブミクロンオーダーの微小接合の作製を目指したが、REエッチングプロセスでは十分な加工精度が得られない問題と接合側面のプラズマ損傷による特性劣化があり、プラズマ損傷を陽極酸化法を用いることで除去するプロセスに取り組んだ。これにより、寸法が1μm程度の接合でジョセフソン特性が得られたものの、再現性が悪く量子論理ゲートに必要なサブミクロンオーダーの接合が得られなかった。そこで、抵抗加熱蒸着装置によるシャドウ蒸着法(蒸着源の斜法入射による接合形成法)による超微細接合の作製を進めるべく真空装置の改造を行い、同プロセスによる接合作製を試みている。本手法に必要なフォトリソプロセスとオフによる微細加工プロセスを確立し、接合作製プロセスを行った結果、サブミクロンオーダーでの接合形成が可能であることが確認されている。現在、トンネル酸化膜を形成するための酸化プロセスの条件出しを行っており、これにより作製した接合の電気特性評価を行う予定である。また、本年度は量子論理ゲートを操作する系として有望な超伝導単一磁束量子回路において、10GHzを超える動作周波数での加減乗算回路の実現が達成され、将来の量子計算と磁束量子回路の融合による計算機回路への展開という観点で進捗が得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Onomi, et al.: "Phase-Mode Pipelined Parallel Multiplier"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. vol.11・no.1. 541-544 (2001)
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[Publications] T.Onomi, et al.: "New Phase-Mode Logic Gates with Large Operating Regions of Circuit Parameters"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. vol.11・no.1. 974-977 (2001)