2000 Fiscal Year Annual Research Report
極微細MOSFETをRF領域へ応用するためのノイズ解明及びこのモデリングの研究
Project/Area Number |
12750298
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上野 弘明 広島大学, 工学部, 助手 (50314729)
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Keywords | MOSFET / 1 / fノイズ / RF |
Research Abstract |
本年度は,様々なゲート長(サブミクロンスケール〜数μm程度)を持つ極微細MOSFETに対して,1/fノイズを測定し,解析を行った.その結果,周波数が1〜10kIIzの領域において,キャリアのShockley-Read-IIall発生・再結合プロセスに起因すると考えられるノイズのオーバーシュートが観測された.このオーバーシュートスペクトルはゲート長およびドレイン電圧に依存せず,ゲート電圧の上昇とともに小さくなる.しかし,この特性に関する詳しい解析はなされておらず,実際に発生・再結合によるノイズがゲート電圧の増加とともに減少しているのか,あるいは1/fノイズがゲート電圧の増加とともに増加しているために,そのスぺクトルに埋もれて観測されないだけなのかよくわかっていない.このオーバーシュートスペクトルの特性をモンテカルロデバイスシミュレーションの結果と併せて詳しく解析した. まず,モンテカルロデバイスシミュレーションにより,Si/SiO_2界面に衝突するキャリア数のバイアス依存性を求めたところ,ドレイン電圧に依存せず,ゲート電圧の上昇とともに増加し,1/fノイズの測定結果と定性的に一致した.更に,同じくモンテカルロシミュレーションにより,MOSFETのエネルギー分布関数およびShockley-Read-Hall発生・再結合の割合のバイアス依存性を求めた.その結果,ゲート電圧が上昇するとShockley-Read-Hall発生・再結合を起こす高いエネルギーを持つキャリアが大幅に増加するのに対し,Shockley-Read-Hall発生・再結合の割合はほとんど変化しないことがわかった.このことから発生・再結合ノイズはゲート電圧の増加とともに実際に減少していることがわかった.
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Research Products
(1 results)