2000 Fiscal Year Annual Research Report
低圧微分型静電分級装置によるプラズマ反応器内での微粒子発生機構解明
Project/Area Number |
12750307
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
薜 光洙 理化学研究所, レーザー反応工学研究室, 基礎科学特別研究員 (60298148)
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Keywords | プラズマCVD / 微粒子 / 低圧微分型静電分級装置 / 微粒子サイズ分布 |
Research Abstract |
近年、半導体素子の微細化に伴い、半導体製造プロセスで起こる微粒子発生(汚染)問題はますます重要になっている。一般に、半導体プロセスでの微粒子発生は、集積回路の断線、短絡または劣化等を引き起こす原因となる。このような問題を解消するため、従来においてはシリコン基板に付着している微粒子を顕微鏡により検査する方法が用いられていたが、この方法では微粒子発生源等を特定するのが難しく、微粒子汚染問題に対する有効な対策にならない。 本研究では、半導体製造プロセス中で最もよく使われているrfプラズマCVD反応器を研究対象とし、CVD反応器内で発生する微粒子を、低圧微分型静電分級装置(Differential Mobility Analyzer;DMA)を用いて調べた。rfプラズマCVD反応器の排気ラインに低圧DMAを直結し、反応器内で発生したナノ粒子を直接低圧DMAへ導入することで、プロセス中で発生する微粒子のサイズをオンラインで観測した。低圧DMAで計測された微粒子のサイズ分布を確かめるために、プラズマCVD反応器内で、カボン基板上に微粒子を捕集した後、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてそのサイズを観察した。その結果、低圧DMAを用いて計測された微粒子のサイズ分布がTEMで計測したそれと一致していることが確認できた。これは、低圧DMAがプラズマCVD反応器で発生する微粒子のサイズを正確にかつオンラインで計測することを示す。 DMAの分級(選別)粒子径を固定し、プラズマCVD反応の開始から終了まで、その反応時間にそった微粒子の濃度変化を計測した。これを各粒子径ことに繰り返し測定することで、反応経過にそった微粒子のサイズ分布変化を調べた。このサイズ分布変化は、プラズマCVD時に発生する微粒子の成長機構を反映しており、今後、プラズマ内での微粒子成長機構を解明する重要な手掛りになる。また、各CVD条件において、発生微粒子のサイズ分布を計測し、CVD条件と発生微粒子の相関を調べた。
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Research Products
(1 results)