2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750318
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渋谷 智治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20262280)
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Keywords | 情報通信 / 符号理論 / 誤り訂正符号 / 最小ハミング重み / 一般化ハミング重み / 巡回符号 / 代数幾何符号 / 限界式 |
Research Abstract |
誤り訂正符号を用いた誤り検出・訂正方式は、現代の情報通信システムにおける基盤技術の一つである。誤り訂正符号の性能は符号のパラメタ(符号長・情報次元・最小距離)の関係によって評価されるため,パラメタの評価は非常に重要な研究テーマである。一方、1991年、Weiによって一般化ハミング重み(Generalized Hamming Weight,GHW)の概念が誤り訂正符号に対して導入され、その後の研究で、符号パラメタの一つとしてのGHWの重要性が認識されるに至った。 GHWの概念の誤り訂正への応用として、トレリスを用いた誤り訂正アルゴリズムの計算量やメモリ使用量の評価が挙げられる。そこで、この他に誤り訂正アルゴリズムそのものに対するGHWの応用を目的として研究行った。 その結果、まず、線形符号Cの双対符号について、最小ハミング重みの下界がGHWの下界を通して得られることを明らかにした。さらにこの下界が、Cの最小ハミング距離の下界として有名なFeng-Rao下界とある種の双対関係を有していることを示した。これは、GHWに基づく誤り訂正アルゴリズムそのものの提案ではないが、GHWの応用としての誤り訂正アルゴリズムの提案への発展を期待させるものである。 また、本研究では、任意の巡回符号のGHWの評価に適用可能な下界式を新たに提案した。この下界式は、(1)巡回符号の生成多項式の根から直ちに求められる、(2)最小ハミング重みの下界の一つであるBCH限界を特別な場合として含む、という特徴を有している。従来の下界式はごく限られた巡回符号にしか適用できなかったが、この下界式により、任意の巡回符号のトレリス複雑度が容易に評価できるようになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Shibuya and K.Sakaniwa: "A Dual of Well-Behaving Type Designed Minimum Distance"Proceedings of ISIT 2000. 169 (2000)
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[Publications] T.Shibuya and K.Sakaniwa: "On the Generalized Hamming Weights of cyclic Codes"第23回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 2. 651-654 (2000)
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[Publications] T.Shibuya,and K.Sakaniwa: "A Dual of Well-Behaving Type Designed Minimum Distance"IEICE Trans.on Fundamentals. E34-A・2. 647-652 (2001)
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[Publications] T.Shibuya and K.Sakaniwa: "A Note on a Lower Bound for Generalized Hamming Weights"信学技報. ITOO. (2001)