2000 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線無線ネットワーク上の適応型メディアアクセス制御方式に関する研究
Project/Area Number |
12750329
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅原 大祐 京都大学, 情報学研究科, 助手 (50314258)
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Keywords | 赤外線無線通信 / パケット通信 / メディアアクセス制御 / ポーリング方式 / システム間干渉低減化方式 / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、コンピュータとその周辺機器間のデータ伝送に赤外線を利用した方式を取り扱っている。また、コンピュータとその周辺機器間のメディアアクセス制御方式として、ポーリング方式による一対多通信を想定した。これら複数の赤外線無線通信システムが互いに近接した場所に存在する場合、相異なるシステム間においてパケットの衝突が発生する危険性がある。本研究では、従来提案されていた、システム間の干渉を自律分散的に回避するアルゴリズムに改良を施したアルゴリズムを提案し、提案アルゴリズムの性能解析を計算機シミュレーションによって評価した。 最初に異なるシステム間のパケットが衝突する条件を詳細に解析し、従来のアルゴリズムでは考慮されていなかった、制御局となるコンピュータが送出するパケットの衝突を計数するアルゴリズムを提案している。これらのパケット衝突の回数から得られる統計情報を基にパケットの衝突を回避する処理を制御局側に実装することによりシステム間干渉を低減する。計算機シミュレーションの結果、システム間干渉を回避するまでに要する時間は、データ転送速度が75kbpsの場合、1秒程度となり従来方式と比較して大幅に改善されている。さらに、従来の研究は想定するシステム全てが相互に干渉するモデルに関して検証されているのに対し、本研究では赤外線の指向性を考慮に入れて部分的に干渉するモデルを提案し、それらのモデル上においても提案アルゴリズムが正常に動作することを計算機シミュレーションにより確認している。
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