2000 Fiscal Year Annual Research Report
劣化画像復元における復元画像の定量的評価に関する研究
Project/Area Number |
12750331
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 和弘 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (90209049)
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Keywords | 劣化画像復元 / 劣化過程パラメータ / スペクトル / ゆがみ / 偏平度 / 定量的評価 / パラメータ推定 |
Research Abstract |
まず、復元画像の評価値に関する理論的な考察を行った。これは,復元画像に近似的白色化フィルタである観測値差分フィルタを適用した出力の周波数領域における白色の度合を定量的に評価することにより可能であることがわかった.原画像に観測値差分フィルタを作用させると,白色に近い出力が得られるが,復元画像の場合は,劣化システムの周波数特性と復元処理過程の周波数特性との関係から,復元処理過程が劣化システムにマッチしていないと,周波数特性に特徴がでることから,白色ではない出力が得られる.そこで,観測値差分フィルタの出力の1次元パワースペクトルに対して,統計的な特徴量としてゆがみおよび偏平度の積を,復元画像の定量的な評価値と定義した. つぎに,計算機シミュレーションにより復元画像の評価値の評価を行った.定義した復元画像の定量的な評価値が,復元画像の評価に使えるかどうかを評価するために,計算機シミュレーションを行った.原画像に対して,焦点ずれの半径などの劣化過程パラメータを設定して劣化画像を作成し,つぎに,劣化パラメータを変化させながら復元処理を行った.その復元画像に対して,定義した復元画像の定量的な評価値を計算し,設定した正しい劣化過程パラメータにおいて,復元画像の評価値が最低となることを確認した.また,この復元画像の定量的な評価値は,焦点ずれ復元においては,復元処理過程で用いる焦点ずれの半径に対して,ほぼ二次関数的な下に凸の関数となり,原画像との平均二乗誤差に近い性質があることもわかった. これらのことより,この復元画像の定量的な評価値は,復元が十分行われているかどうかの評価および劣化過程パラメータの推定に利用できることが,計算機シミュレーションにより確認できた.
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