2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750389
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
鳥井 昭宏 愛知工業大学, 工学部・電気工学科, 助教授 (70267889)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / マイクロロボット / 精密位置決め / エンコーダ |
Research Abstract |
本研究は、自走式ロボットの開発、原子間力顕微鏡の開発と、両者の融合の3分野に大別される。平成12年度は、第1点の自走式ロボットの開発に重点を置いた。本研究で扱うリニアエシコーダは、原子間力顕微鏡を搭載した自走式ロボットであるため、ロボットにはナノメートル以下の精密な微小動作が要求される。3個の圧電素子と3個の電磁石を用いた小形ロボットを製作した。このロボットは電磁石による吸着と圧電素子の伸縮を用いたインチワーム型のロボットであるため、圧電素子の変位によるインクリメンタルな動作を実現する。マイクロメートル以下のステップ変位が得られた。インクリメンタルな動作に加えて、圧電素子を微小に変位させることにより、サブミクロン以下の位置計測が可能になった。このロボットは電磁石の吸着力を用いるため、平面だけでなく斜面での動作も可能になった。これにより、ロボットの利用範囲が広がり、エンコーダの設置範囲が大きくなったと考えている。ロボットと原子間力顕微鏡を一体化させるために、ステージ一体型の小形ロボットを開発中である。原子間力顕微鏡の搭載を前提とした小形ロボットを開発することにより、移動時に発生するノイズや外乱の影響を小さく抑えることが出来ると考えている。原子間力顕微鏡を用いてリニアエンコーダを実現するためには、周期性のある試料の形状に基づく位置計測が必要になる。特に、2箇所の形状計測を同時に行う必要がある。これまで約1マイクロメートルの周期性を持つ試料を用いて位置計測を行ってきた。この周期は変位計測に用いられる光の波長と比較して大きいため、原子間力顕微鏡を用いるメリットが十分に享受できているとは言い難い。現在、同時にナノメートルレベルの信号が得られるよう装置の改良を図っている。
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Research Products
(1 results)