2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750397
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
津村 幸治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80241941)
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Keywords | システム同定 / 制御系設計 / コーディング / 情報理論 |
Research Abstract |
本研究では制御系設計における制御対象のモデリング・同定と,コントローラの統合化問題を,同様の問題を扱うコーディング理論との融合をもとに解決することを目指している.本研究で解決すべき課題は次の4項目である.1:「コーディング理論と制御理論を同じ概念で扱うための定式化」,2:「コーディング理論の制御理論への適用と補間」,3:「制御理論のコーディング理論への適用と補間および両者の融合」,4:「実システムにおける理論の検証」.これらのうち平成12年度は課題1,2の解決を目指した.その結果次の結果が得られた.制御におけるモデリング・同定と制御系設計について,コーディング理論で用いられる概念,複雑度,情報量等をキーワードに捉え直した.具体的には情報源の推定とモデリング・同定問題とコントローラ設計問題,エラー率と制御性能評価の間のそれぞれの関係について整合をとり,情報量としてモデリング・同定の分野においては古典的なKullback-Leiber情報量や,AIC等の情報量規準の,ロバスト制御で用いるための拡張について考え,そして制御系の性能までを考慮した情報量規準について新たに提案した.その結果,推定すべき対象の複雑度のみならず,コントローラの複雑度が,推定結果に影響を及ぼすことが示された.この結果は,計測自動制御学会主催「Dynamical Systems Theoryシンポジウム」,IFAC主催「Symposium on System Identification」,IEEE主催の「Conference on Decision and Control」,および発表論文のなかで報告されている.このように制御理論とコーディング理論の融合をとるための共通の定式化が完了したが,課題2の実現は途についたばかりであり完了には到っていない.
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Research Products
(1 results)