2000 Fiscal Year Annual Research Report
アンフォールディングを用いたデッドロックフリーな逐次構成型状態フィードバック制御
Project/Area Number |
12750403
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 俊幸 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00294041)
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Keywords | ペトリネット / 離散事象システム / アンフォールディング / 状態フィードバック / 可達性 / 被覆性 / 極大許容制御 / デッドロックフリー |
Research Abstract |
原子力プラントの緊急時における制御のように,大規模システムの実時間制御に対する要求がある.このような場合,システムの状態に柔軟に対応できるようより知的な状態フィードバック制御を行う必要がある.これまでに提案されている離散事象システムの状態フィードバック制御方法としては大きく分けて二つある.一つの方法は,全状態空間を生成して,生成された状態空間を元に制御を構成する手法(以下(a)法)である.もう一方の手法は,ペトリネットの構造を利用して,制御を構成する方法(以下(b)法)である.(a)法は,対象とするシステムが大規模な場合,状態空間が膨大となるので実時間制御に用いるのは不可能である.(b)法は,構造に制限を加えたクラスのペトリネットによって表現されたシステムにしか適用することができない.研究者のこれまでの研究により,アンフォールディングを用いて状態フィードバック制御を構成する手法が提案されている. 本研究では,大規模な離散事象システムのデッドロックフリーな状態フィードバック・実時間制御を達成するために,以下の点について研究を行っている. ・禁止状態への到達可能性を瞬時に判断するための可達性および被覆性の判定手法の開発 ・アンフォールディングの再構成手法の開発 本年度は可達性,被覆性の判定に重点を置いて研究を行った.デッドロック状態の回避を行うためには可達性,被覆性の判定が重要となってくる.これまでのアンフォールディングは対象とするペトリネットが有界である必要があった.ベトリネットが有界であるとは直感的には有限の状態数しか持たないということである.本年度の研究により無限の状態を持つペトリネットに対するアンフォールディシグの生成,可達性・被覆性の判定が可能となった.
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