2001 Fiscal Year Annual Research Report
制御系設計のための高効率な数値的アルゴリズムの開発と応用に関する研究
Project/Area Number |
12750408
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
増淵 泉 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90283150)
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Keywords | 数値的アルゴリズム / 制御系設計 / リアプノフ関数 / パラメータ依存LMI / ハイブリッドシステム |
Research Abstract |
制御系設計のための高効率な数値的アルゴリズムの開発と応用に関して,前年度に引き続いて理論面をさらに発展させると同時に,制御系設計実験についても研究を行った.数値的アルゴリズムの開発としては,区分的線形リアプノフ関数に基づく計算手法を開発した.リアプノフ関数のクラスとして,従来同様の連続単調減少するものに加え,新たな概念として,不連続性や非単調性を許すより広いクラスの関数を考えた.このようなリアプノフ関数の具体的な計算アルゴリズムを導出するとともに,問題の構造を利用して高速に解を求める方式を与えた.さらに,実際に数値実験を行ってその有効性を確かめた.また,この数値アルゴリズムに基づいて,ハイブリッドシステムの安定解析問題の数値解法や,切替システムの数値計算に基づく制御系設計法を構築した.特に,切替の不確かさを許容するロバストな切替制御則の設計法を構築した.この設計法は線形行列不等式(LMI)に対する凸最適化計算によって高効率に解けることを示した.また,パラメータ依存LMIの数値解法として,多次元パラメータ依存行列不等式の可解性と数値解について,数値実験を含む研究を行った.パラメータの次元と計算量について考察を行った.また,大規模問題を解くため数値計算アルゴリズム自体の検討も行った.以上の理論的な成果を,模型ヘリコプタ実験装置の制御系設計に応用してその有効性を検証した.そのための予備として実験装置の非線形システム同定を行い、制御実験を行った.以上により,当研究の目的を達成した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 増淵泉: "非単調な区分的線形リアプノフ関数によるハイブリッドシステムの安定解析"計測自動制御学会関西支部シンポジウム講演論文集. 152-155 (2001)
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[Publications] 太田有三: "区分的線形リアプノフ関数の構成とその高速算法"システム制御情報学会論文誌. 14・8. 402-408 (2001)
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[Publications] 山本茂: "ハイブリッドダイナミカルシステムの安定解析"システム/制御/情報. 45・3(掲載予定). (2002)
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[Publications] I.Masubuchi: "Dynamic controller synthesis guaranteeing L2-gain for time-controlled switched systems"Proc. of 2001 American Control Conference. 874-879 (2001)
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[Publications] I.Masubuchi: "Advanced Performance Analysis and Robust Controller Synthesis for Time-Controlled Switched Systems with Uncertain Switchings"Proc. of the 40th IEEE Conference on Decision and Control. 2466-2471 (2001)
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[Publications] 佐々木康朗: "多次元パラメータ依存行列不等式の可解性と数値解について"第30回制御理論シンポジウム資料. 133-136 (2001)