2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750410
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 浩一 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80284537)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 電子ビーム / 振動制御 |
Research Abstract |
電子ビームの位置を制御することにより、床振動等の外乱から電子顕微鏡画像への影響が低減される。電子ビーム制御系は、外乱を検知する荷重板上の加速度計、電子ビームの位置を動かすイメージシフトコイル、イメージシフトコイルへの指令信号を与えるDSP(デジタルシグナルプロセッサ)から構成されている。また、外乱を模擬するために、電子顕微鏡を加振装置上に設置した。最初に定数フィードフォーワード制御系を設計した。つまり、加速度計出力の値に適当なゲインをかけたものをイメージシフトコイルへの指令信号とした。顕微鏡を加振した時の画像のぶれが低減されるようにゲインを調節し、ある狭い周波数領域について外乱抑制効果を確認できた。次に、外乱抑制が有効な周波数領域を拡大するために、外乱を検知する加速度計出力と試料上の電子ビームの変位との関係を表す数学モデルを作成した。まず、外乱により試料上で電子ビームがどれだけの変位を生じるかを測定するために顕微鏡の加振試験を実施し、加速度計出力と、顕微鏡画像の元になるビデオ信号が測定された。また、研究代表者が新規に提案した方法により、ビデオ信号から電子ビームの変位は推定される。その方法は最小2乗法に基づいており、試料に電子ビームを照射した時に発生するビデオ信号の数学モデルを作成し、加振試験の際に発生すると予想されるビデオ信号と測定されたビデオ信号との比較から電子ビームの変位を決定する方法である。なお、加振試験では試料としてマイクロスケールを採用している。このようにして、加速度計出力と電子ビームの変位との関係が伝達関数データとして与えられた。さらに、このデータから加速度計出力と電子ビームの変位との関係を表現する数学モデルを最小2乗法により決定した。
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